脳科学者 茂木健一郎氏、現金給付案に疑問「深いレベルでの議論を」

脳科学者の茂木健一郎氏が、自身の主張を「現金給付や減税のことも大切だけど」と題した動画で公開した。世間で話題となっている現金給付案の見送りについて、茂木氏は「みんな苦しんでいるのは事実だが、現金給付は一時しのぎ」とし、本質的には政府の支出の効率化こそが重要だと語った。

茂木氏は、政府の役割について「日本経済が成長につながり、経済構造が変わるような生きたお金の使い方が必要」と強調し、アメリカのイーロン・マスク氏の取り組みを例に挙げつつ、日本でも成長分野への公的資金投入の重要性を指摘した。また、国民の所得を直接増やす方針として現金給付や減税の可能性に触れたが、「ただ支出するのではなく、賢い使い方をしなければならない」と警鐘を鳴らした。

また、「ベーシックインカムまで行くべきか」という究極の問いに対しても、「国民に対する制度設計を考慮する必要がある」とし、「目の前のお金に翻弄されるだけでは本当の解決にならない」と主張した。

動画の結びでは、茂木氏は「単に現金給付を見送ったからといって石破政権がダメだとか、そういう単純な話ではない」と述べ、日本をどう発展させるか、国民同士がどう助け合っていくかという、より深いレベルでの議論の重要性を強調した。