脳科学者の茂木健一郎氏が、「金継ぎできないものもある」というテーマで独自の視点を披露した。茂木氏は動画の中で、日本の伝統技術である金継ぎを取り上げて、器や人間関係、社会との関係が壊れた時に再生する方法として金継ぎが注目されていると説明した。しかしその一方で、金継ぎできないときにどのように前向きに生きていくかについても考察している。

茂木氏は、Wim Wenders監督と高崎卓馬氏が共同で脚本した映画『パーフェクトデイズ』を取り上げ、「この映画には金継ぎできない何かが起こったことを示唆する」と語った。作品中では、東京の公衆トイレを掃除する主人公が、日常の中で「金継ぎができない」部分を抱えながらも日々を過ごしている様子が描かれる。この映画は海外で高評価を得ており、「Wim Wendersのここ数十年の最高傑作」との声もあるという。

さらに茂木氏は、夏目漱石の小説『こころ』や『門』、『行人』に言及し、「これらの作品もまた金継ぎできない人生の局面を描いている」と述べた。特に漱石の文学について、「漱石自身も金継ぎできないものを抱えていたのかもしれないが、それが彼の文学性だったのではないか」との見解を示した。

動画の締めくくりで、茂木氏は「金継ぎができるのが第一段階だが、金継ぎできないものもあるかもしれない。しかし、それでも人生を楽しむ価値がある」と語り、どんなに壊れた部分があってもその人生に価値を見出す姿勢が重要であると説いた。

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