(※写真はイメージです/PIXTA)

写真拡大

「送迎が困難」「時間的に厳しい」といった理由から、子どもに習いごとに通わせることを躊躇する共働き家庭は多いのではないでしょうか。そこで今回は、ライフキャリアコンサルタントの江野本由香氏が、自身の経験から共働き家庭の子どもの習いごとについて解説します。

2歳から小学生になるまで

2歳は子どもの教育についてパートナーと相談をするタイミング

仕事・子育てのリズムのベースのうえに、成長段階に合わせた子どもの学びの環境を考えるメロディーが乗ってきます。仕事をしていると世の中の変化を肌で感じ、「これから先、我が子をどうやって育てていこうか」と考えずにはいられないでしょう。

教育についての情報取集も必要になってくる時期です。「どのような大人に育ってほしいのか」「何を大切に育てていくのか」などといった、家庭の教育方針をパートナーと一緒に話し合う機会をつくりましょう。妊娠期間中、育児休業中と、父親・母親のキャリアイメージや働き方について話し合ってきたと思いますが、今度は子どもの育ちをメインに話し合うのです。

なぜここで話し合う必要があるのかといえば、子どもの未来はもちろん、その方針によっては親の働き方の見直しが必要になるかもしれないからです。

現在、法律で決められている時短勤務は「3歳未満」ですから、会社の制度によっては
3歳になった時点でフルタイムに戻らなくてはならない場合もあります。子育て期間の働き方は、子どもの成長に合わせて変化の連続です。「家庭の教育方針」といった我が家の軸から考えてみましょう。

時間的に厳しい、共働き家庭の習いごと

少子化ではあるものの、子どもの教育産業は盛んです。地域により差はありますが、子どもに習いごとをさせている家庭は増加傾向にあります。

3歳くらいまでの習いごとは親子でおこなうものがほとんどなので、平日の習いごとの場合、共働き家庭ではむずかしいのが現状です。

4歳くらいになると、シッターさんなどで送迎がかなえば、共働き家庭でも習いごとに通うことはできます。習いごとの月謝に加え、シッター費用の出費は増えますが、子どもにとっては保育園以外の世界が広がることで成長にもつながりますし、価値あることといえるでしょう。

保育園には、リトミック・バレエ・サッカー・英会話など、習いごとのようなことをできる園もあるので、保育園を選ぶときに考えるのもよいでしょう。

共働きの習いごと「送迎問題」

我が家は公立の保育園で、そのようなサービスはありませんでしたが、「スポーツと音楽は小さいうちから、はじめさせたい」という考えから、息子はサッカーとピアノを、娘はバレエとピアノに通いました。ピアノ教室は近所にある個人の先生を探すことで、私が保育園にお迎えに行ってからそのまま連れていくことができ、夕食の時間は遅くなってしまいますが問題なし。バレエ教室も土曜日のクラスに通うことで問題なし。

問題はサッカーでした。もともと下の娘の育休中に、私が職場復帰したら辞めることを前提にはじめたものでしたが、いざ復職で辞めるとなったとき、息子が辞めたくないと言い出し、親としてはやりたいことをやらせてあげたい。車でしか行けないところだったので、シッターさんにお願いするのはむずかしく、けっきょく祖父の登場となりました。

祖父は車の運転ができず、家から電車で1時間以上かけて来てもらい、息子を保育園へ迎えに行き、1時間に2本しかないバスに乗るといった送迎だったので、それは大変だったと思います。

さすがに無理なときもありました。そのときはママ友に頼んだり、どうにもならないときは休むこともやむなしだったりと、そのような綱渡り状態ながらも、息子はサッカーを続けられたことで大学生になったいまもサッカーが大好きです。

共働きでも習いごとはできます。リモートワークが選択できる人であれば、夕方に近所の送迎で20〜30分の時間をつくれる人もいるでしょう。

「我が家の教育方針として何か習いごとを」と思ったり、子どもが何かやりたいと思うものがあったりするのであれば、ぜひやらせてあげましょう。苦労はあっても子どもにとって可能性が広がるチャンスであり、大変さを超える価値があります。工夫次第でなんとかなるものです。

江野本 由香
ライフキャリアコンサルタント

※本記事は『キャリアと子育てを両立する!自分と家族の価値軸で築く幸せな生き方』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。