プラダ ビューティ(Prada Beauty)は2023年8月に、欧州でデビューを果たした。2024年1月15日にSephora.comとNordstrom.comでの取り扱いが始まり、2月9日には米国デビューを祝うパーティーがブルックリン地区のウィリアムズバーグで開催された。パーティーには、同ブランドの「米国パートナー」を務めるソフィア・リッチー・グレインジ氏をはじめ、モード&アイリス・アパトー姉妹、ケイティ・ホームズ氏、アヴァンティカ・ヴァンダナプ氏、チャーリー・ダミリオ氏、ディラン・スプラウス氏、メレディス・デュクスベリー氏らが出席した。その前日に、プラダ ビューティの米国初となる小売拠点がノードストローム(Nordstrom)の旗艦店内にオープンした。今月後半には、セフォラ(Sephora)の米国内26店舗でも発売予定だ。そして3月にはブルーミングデール(Bloomingdale)でも、オンラインと店舗の両方で発売される。プラダ ビューティは、2021年1月にライセンス契約を締結した美容系コングロマリットであるロレアル(L’Oréal)のもとで開発された。同ブランドはスキンケアとメイクアップ商品を高価格帯で提供する。人気商品となりそうなリップバームは50ドル(約7,500円)、美容液は410ドル(約61,500円)で販売されている。インスタグラムで1100万人、TikTokで360万人のフォロワーがいるリッチー氏は、プラダ ビューティと1年間の契約を結び、ブランド代理としてペイドコンテンツの投稿や、同ブランドのファッションショーやその他のイベントに参加する。「彼女は若々しく爽やかで、洗練されたエネルギーとファッションセンスを兼ね備えており、彼女やプラダ ビューティのオーディエンスに共感を与えている」と語るのは、ロレアルでプラダ ビューティおよびクチュールブランドのブランドエンゲージメント担当バイスプレジデントを務めるローラ・ヒバード氏だ。同ブランドはまた、メレディス・デュクスベリー氏やステフ・フイ氏などのインフルエンサーにも報酬を支払い、リップコレクションを中心としたTikTokコンテンツの制作をお願いしている。

インフルエンサーへの商品提供で若い世代にアプローチ

さらにプラダ ビューティは、米国のインフルエンサーへの商品提供にも注力している。もっとも提供されている商品は、社内でプラダ・バーム(Prada Balm)と呼ばれているカラーレス・スムージング・リップバーム(Colorless Smoothing Lip Balm)だ。ヒバード氏によると、洗練されたパッケージと、プラダと刻印された商品の淡い色合いがTikTokでヒットを生んだという。ロード・スキン(Rhode Skin)のペプチド・リップ・トリートメント(Peptide Lip Treatment)など、熱狂的な人気を誇る商品と並んでTikTokに登場している。1カ月ほど前から商品提供を実施した結果、TikTokやインスタグラムで約700件の投稿が確認できた。「TikTokでは、コミュニティーが非常に率直で信頼できるレビューを投稿してくれる。そして、我々のバームがそのコミュニティー内で脚光を浴びているのを目の当たりにできるのは素晴らしいことだ」。高価格帯の商品にもかかわらず、コアターゲットに設定しているのはZ世代や若いミレニアル世代だ。Z世代やその下のアルファ世代は、高級美容ブランドに喜んでお金を使うことが明らかになっている。「この層はメイク好きなだけでなく、市場に登場する最新で最高のイノベーションを熱望している。そしてデザイナーブランドがどのような商品を発表するかを知りたがっている消費者なのだ」と、ロレアルでプラダ ビューティやクチュールブランドのゼネラルマネージャーを務めるローラ・アザリア氏は語る。商品は詰め替え可能で、スキンケアの効果もある。どちらも若い美容消費者に好まれる特徴であると、ロレアルでプラダ ビューティのマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるグウェン・ギンドル氏は話す。

プラダを彷彿とさせるカラーコスメ

しかし、プラダ ビューティは「プラダの熱狂的ファン」も念頭に置いていると、アザリア氏は言う。そのため、リップスティックにはプラダを象徴するサフィアーノレザーを彷彿とさせるエンボス加工が施され、アイシャドウパレットはブランドのアーカイブプリントやカラーを連想させるデザインになっている。プラダ ビューティはいまのところ、カラーコスメに重点を置いており、19色のソフトマットリップスティックや18色のハイパーマットリップスティック、33色のファンデーション、6種類の4色入りアイシャドウパレット、そして前述のリップバームを展開している。今後は皮膚科系インフルエンサーと提携し、スキンケアにも力を入れていく予定だとヒバード氏は言う。昨年7月にプラダ ビューティーは、リンジー・アレクサンダー氏をグローバル・クリエイティブ・メイクアップアーティストに、そしてイネス・アルファことイネス・マルザット氏をグローバル・クリエイティブ・eメイクアップ・アーティストに任命したことを発表した。マルザット氏はブランド設立時に、インスタグラムやTikTokでバーチャルでメイクを試せるフィルターを作成している。「プラダ ビューティにとって、テクノロジーは非常に重要だ。それはブランドとして、差別化の鍵となる要因のひとつである」とヒバード氏は語った。[原文:Prada Beauty targets US consumers with Sofia Richie Grainge, Sephora]SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:田崎亮子、編集:山岸祐加子)