広告主に「認証料」を強制する Twitter 、広告プラットフォームとしてはむしろ安価?
TwitterのCEOであるイーロン・マスク氏は、Twitterで広告を掲載するために、一定の費用基準を満たさない広告主に認証料を支払うことを強制し、マーケターは準備する暇もなく混乱に陥っている。4月21日金曜日、Twitterは広告主に対して、本日から広告主アカウントは「Twitterで広告を掲載し続けるには、認証済みのチェックマークを付けるか、Twitter BlueあるいはVerified Organizationsのいずれかに加入する必要がある」といったメールを送った。
つまり、もしマーケターが月1000ドル以上Twitterに支払っていないのであれば、引き続き広告を掲載するために認証料を払うか、別のプラットフォームを探す必要がある。中小規模の広告主は、そのような警告を受けることとなった。
中小ブランドには打撃
SJRソーシャルメディア(SJR Social Media)のソーシャルメディアマーケティングマネージャーであるサマンサ・ロビンソン氏は、「大きな予算を持たない小さなブランドは、どこにお金を使うか慎重に考えなければならないため、いい影響は及ばさない。彼らは、ほかのプラットフォームを選ぶだろう」と付け加えた。
このTwitterの最新のアップデートは、業界が不況に見舞われ、すでに広告費が少なくなっているタイミングで行なわれた。そのため、マーケティング担当者は、予算を削減、もしくは節約するためのよりよい方法を模索している。
ほとんどの中小企業にとって、Twitterだけに毎月1000ドルを費やすことは現実的ではない。同じ広告予算をメタ(Meta)やTikTok、さらにはSnapchat、ピンタレスト(Pinterest)、YouTubeなど、「アクセスに障壁のないプラットフォームへ割り当てることができる」とハッチグループ(Hatch Group)のソーシャル担当責任者であるジャック・ムーア氏(Jack Moore)は述べる。
たとえば、メタやGoogleは、広告主に身分証明を求めるものの、そのための費用は請求していない。
有料化を急かすTwitter
ムーア氏は、大多数の企業が飛び越えるべきハードルの少ないほかのソーシャルプラットフォームに目を向けるようになると確信している。同様に、タイガーボンド(tigerbond)のシニアソーシャルメディアマネージャーであるブライアン・アーミット氏は、広告費の敷居が高いため、「中小企業がTwitterというプラットフォームをまったく利用しなくなる恐れがある」と述べている。
「これらの施策は月1000ドル以上の広告費が出せない中小企業を排除しようとしているように感じられる」と同氏は付け加える。
つまり、マスク氏が伝えたいメッセージは明確だ。彼は「今すぐプラットフォームを有料化したい」と考えているのだ。そして、これらの動きはそのために次のステージへと進んでいることを意味する。
あくまで広告プラットフォーム
マーケターはこの動きに不満を感じているかもしれないが、必ずしも悪いこととではないと考える人もいる。
なぜなら、ほかのメディアやプラットフォームではすでに行なわれていることだからだ。ただし、それらの料金は、それより大きな固定料金にまとめられていることが多く、顧客はこのようなかたちで明細を見ることはない。それでもこういった料金を支払っていることは珍しくない。
「これは、ほかの多くの広告プラットフォームで広告主が負担している料金をTwitterでも支払うというだけのこと。どのプラットフォームでも結局のところ広告部分はビジネスであり、マスク氏はTwitterの収益モデルを再構築しているだけなのだ」とフリーランスのソーシャルメディアコンサルタントであるリズ・レ・ブレトン氏は解説する。「私はそれほど突拍子もないことだとは思わない」。
そして、これは同氏の言うとおりだ。たいていの大手ブランドやエージェンシーはすでに認証済みで、必要な月額1000ドル以上をTwitter広告に費やしている。そうでない場合、たとえばTwitter Blueの月額8ドル(約1050円)または年間84ドル(約1万1000円)のコストを支払うことが、彼らの予算全体にとって大きな問題とはならない。また、認証されたビジネスユーザーがよりよいサービスを受けられるのであれば、それは歓迎される可能性さえある。
広告主とまた新たな溝を生む可能性
フェアブラザー・エージェンシー(The Fairbrother Agency)の経営者であるポール・フェアブラザー氏は、「私の感覚では、広告を出すためにアクセス料を支払うのを毛嫌う反応があると思う」と述べる。「ただ、それでも大したことではない。それが月額8ドルのTwitter Blueの話だけだと仮定するのなら」。
これは正当な評価といえる。マスク氏がTwitterの青いチェックマークの概念を、ユーザー認証のためではなく、有料ユーザーか否かを識別するものに変えて以来、広告主や有名人、ユーザーは皆騒然としている。もちろん、彼らの目には、「これまで無料で利用できていたものに、なぜ今さらお金を払わなければならないのか」と疑問に映るのだろう。
マスク氏は、2022年10月にTwitterを買収して以来、広告主との関係をかなり否定的に捉え、完全に無視してきた。そして、関係性を再構築するために業界との対話を始めたばかりであるにも関わらず、この最新の動きは場合によっては、両者に新たな溝を生むことになりかねない。
「マスク氏は大胆な行動を起こし、その行動を貫く姿勢を見せる。それは覚えておくといい」と前述のロビンソン氏は言う。「おそらく彼は広告主にプラットフォームの利用料を請求することで、自分の投資をどう回収するかを考えているのだろう」。
[原文:Elon Musk targets smaller advertisers by forcing them to pay for verification to run ads on Twitter]
Krystal Scanlon(翻訳:SI Japan、編集:島田涼平)
