なぜ年齢を重ねるとそれまでの服が似合わなくなるのか?30代「艶期」40代「無味無臭期」50代「集大成期」は素材やシルエットのマイナーチェンジで乗り切る!

中年になる過程で誰でも必ず通る「クローゼットはパンパンなのに」「何を着ていいかわからなくなる」というお悩み。パンツもスカートもシャツも、たくさんあるのになぜか今日着る服「だけ」がない。ウェブショップ「HACHITEN」のオーナー・佐藤加奈子さんも、かつては同じ悩みを抱えていたそうですが、今はそうした「あるある!」ネタを、4.5万人を超えるフォロワーを持つInstagramを通じてバッサバッサと解決しています。その佐藤さん「おしゃれを楽しむには『艶期』『無味無臭期』『集大成期』といった”転換期”を意識して」と言いますが――。
【写真】「シワもシミもすべて味」と話す佐藤さんが所有するデニム
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おしゃれスランプは定番マイナーチェンジで乗り切る
おしゃれ大好きな人も、そうでない人にもやってくるおしゃれスランプ。
30歳を過ぎた頃からなんとなく、今までの服が似合わなくなってガーンと打ちのめされちゃうんですよね。
でもそれは、次のステージへ向かっている転換期。焦って今までの「好き」を否定せずとも(私はしたけど)、素材やシルエットのマイナーチェンジで乗り切れます。
例えばマイ定番のボーダーTシャツも、縞のピッチや首の空き具合を変えるだけで大丈夫に。その連続の先に、新しいステージが待っています。
「艶期」それはカジュアル派30代に訪れる大きな壁
30代は、今までサラッと着こなしてきたカジュアルに違和感を覚えてしまう人が多い時期。私も「もう若くないから…」と年齢のせいにしてファッションを諦めそうになりました。
実は、30代は身体つきが豊かになる「艶期(つやき)」(と命名しました)なんです。
カジュアル派30代に訪れる「艶期」という大きな壁(イラスト:山中玲奈)
そのせいでTシャツ&デニムにいらぬ色気が出てしまうんですね。さらに妊娠出産で体型が安定しないなど、ファッションを楽しむには難しい時期でもあります。
私自身が艶期を通り抜けてきた経験から言えるのは「大丈夫、また似合うようになるよ」ということ。焦らず騒がず潜伏しておきましょう。
『今日着る服がない!を解決する魔法の呪文』(著:佐藤加奈子/TAC出版)
ファッションがよみがえる40代の「無味無臭期」
40代は後半になるにつれ、諦めていたカジュアルがまた着られるようになってくる時期。
ましてや苦手だった、フリルやプリーツスカートなどの少女っぽい服もいけるようになってきます。
40代の「無味無臭期」は大人らしさを足してネクストステージへ(イラスト:山中玲奈)
それは自分が無味無臭に近づいてくるから。ファッションが再び楽しくなる代わりに足りなくなってきた艶(若さ?)や、大人らしさを足していく必要が出てきます。
例えば洗いざらしのダンガリーシャツから、光沢感あるリネンのシャツにするなど、素材を上質なものにして、ネクストステージのカジュアルを楽しみましょう。
50代は自分の好きを再確認する「集大成期」
50代は、それまでに積み上げてきた生き方が顔や体型に出てくる時期。
笑顔の多い人は口角の、姿勢が良い人は背筋の、思考を続けてきた人は脳のトレーニングを続けてきたのと同じこと。そう、それはまるでヴィンテージデニムのよう。シワもシミもすべて味なのです。
それなのに「歳だからもう…」と着る服を狭めるのはもったいない。この年代の人が来店して娘さんに意見を聞いているのをよく見かけたのですが、自分自身の好きをもっと肯定していいんです。
今までの「好き」を総ざらいして、堂々と着る。それがいちばんおしゃれだと、私は思います。
※本稿は、『今日着る服がない!を解決する魔法の呪文』(TAC出版)の一部を再編集したものです。