2022年8月20日、東京・渋谷のATOM TOKYOにて、『Apex Legends』の世界のトッププロチームや人気ストリーマーが出場する大会「SoulZ Season3」が開催されました。

本大会は、オフラインとオンラインのハイブリッドで開催され、オフライン会場には、来日した海外トッププロチームの「SCARZ EU」と「TSM FTX」が登場しました。記事の前半ではオフライン会場の模様をお伝えするレポートを、記事の後半では来日した2チームのインタビューをお届けします。

本大会のために来日した「SCARZ EU」と「TSM FTX」

eスポーツとエンタメを融合するイベント「SoulZ」

今回で3回目の開催となる「SoulZ」は、プロeスポーツチームの「SCARZ」と国内外で数多くの音楽エンターテイメント業を手掛ける「SUGARBITZ」が共同プロデュースするイベント。eスポーツとエンターテイメントの融合をコンセプトとしています。

「SoulZ Season3」に招待されたのは、海外や日本のトッププロチームと、人気ストリーマーチーム、合わせて20チームです。強さと人気を兼ね備えたプレイヤーを招待する、「SoulZ」ならではの組み合わせが実現しました。

この日のために、海外トッププロチームの「SCARZ EU」と「TSM FTX」が来日し、オフライン会場から参加。さらには、「Apex Legends Global Series: 2022 Championship」(以下、Championship)で優勝し、国際大会2連覇を成し遂げた「DarkZero」がオンラインで参加するなど、そうそうたる顔ぶれがそろいます。

試合は全4ラウンド行われ、公式大会に準じたポイントルールでランキングを競い合いました。

出場チーム一覧(来日2チーム以外は、オンラインにて参加)

人気ラッパーAKLOのオープニングライブからスタート

eスポーツ大会の新たな演出にこだわりを持つ「SoulZ」では毎回、音楽アーティストのゲストが登場しています。今回は、人気ラッパーのAKLOさんが登場し、オープニングライブで会場を盛り上げました。

AKLOさんは、人気音楽プロデューサーKMさんと制作した公式タイアップソング「Muscle Memory(マッスルメモリー)」を初披露。FPSをテーマに、ゲームにおいて大事な“体で覚える”要素から名付けられた楽曲です。

なお、「SoulZ」は、オリジナル音楽レーベルの「SoulZ SOUNDS」を発足しており、国内外のゲーム好きなアーティストによる楽曲のリリースが今後予定されています。

ライブと大会の模様を振り返る、「Muscle Memory」を使ったアフタームービー

ホストMCを務めた、DJのTJOさん

AKLOさんによるオープニングライブからスタート

公式タイアップソング「Muscle Memory」を初披露し、会場を盛り上げた

ATOM TOKYOの4フロアを活かしたオフライン会場

過去の「SoulZ」は、オンラインにて実施されたため、オフラインを含む開催は今回が初。海外トッププロ2チームという豪華ゲストを迎えた会場には、レアなチケットを手にしたファンが駆けつけました。

会場に選ばれたATOM TOKYOは、4フロアで構成されるクラブ。選手たちがプレイするステージのある5階をメインフロアとして、吹き抜けのステージでつながる6階にキャスター席、4階にパブリックビューイング席、1階にグッズ販売エリアが設けられました。

選手たちがプレイするステージが設けられた5階のメインフロア

3段になったプレイ席がステージにセッティングされた

5階から6階へ吹き抜けになっているステージのメインモニター

6階のキャスター席。左から、実況の河野海樹さん、解説のすでたきさん

4階に設けられたパブリックビューイング席

1階では「SoulZ」やチームの公式グッズが販売された

間近で見るスター選手たちに興奮、好プレイに沸く観客

ステージに「SCARZ EU」と「TSM FTX」の選手たちが登場すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。世界で活躍するスター選手たちを、これほど間近で見られるチャンスは、かなり貴重だといえます。

両チームが一言ずつファンにメッセージを伝えたのち、試合がスタート。試合中は、「SCARZ EU」と「TSM FTX」の2チームに限らず、好プレイが飛び出すたびに、客席から歓声が上がりました。

なかでも、特に盛り上がったのは最終試合。試合終盤、チームで残り1人となった「TSM FTX」のReps選手が、キルを獲得しながら順位を伸ばす見事な活躍を見せ、手に汗握る戦闘で観客を大いに沸かせました。

「SCARZ EU」と「TSM FTX」の2チームが観客の前に登場

試合前、ファンに向けてメッセージを伝える「SCARZ EU」

「SCARZ EU」rpr選手

「TSM FTX」ImperialHal選手

最終試合、1人生き残った「TSM FTX」Reps選手が見事な見せ場をつくった

全4試合が終了、翌日は2チームによるファンミーティングも

全4試合が終了し、最終総合ランキングで1位に輝いたのは「FC Destroy」。3試合目に18キルでのチャンピオンを獲得したことで大きくポイントを伸ばし、優勝を手にしました。

試合後、「SCARZ EU」と「TSM FTX」はステージ上でのインタビューに答え、最後は観客の大きな拍手で見送られて大会終了となりました。その後、さらに選手たちは4階へ移動し、パブリックビューイング席のファンの前にも登場。手を振るなどして、ファンの歓声に応えました。

「SoulZ Season3」最終総合ランキング

「FC Destroy」が総合1位を獲得

試合後のインタビューに答える「TSM FTX」

大きな拍手で2チームの選手たちを見送る観客

4階のパブリックビューイング席にも、選手たちが登場

なお、翌日には同会場にて、「SCARZ EU」と「TSM FTX」によるファンミーティングが開催されました。ファンミーティングでは、トークセッションや写真撮影ありのミート&グリート、サイン会を実施。Twitterのハッシュタグ「#SoulZ」では、ファンミーティングに参加したファンの感想などを見ることができます。

3回目の開催となった「SoulZ」は、今後も継続的な開催を予定。回を追うごとに規模を拡大しつつあり、次回がどのような内容での開催になるのか、期待が寄せられます。

翌日開催されたファンミーティングの様子

ファンミーティングでは、サイン会などが行われた



「SCARZ EU」&「TSM FTX」大会後インタビュー

大会終了後、「SCARZ EU」と「TSM FTX」の2チームに、それぞれインタビューを行いました。日本でのオフラインイベントに出場した感想や、来日にあたって楽しみにしていたこと、日本の『Apex Legends』シーンに対するイメージなどを聞いています。

「SCARZ EU」インタビュー

左から、Mande選手、rpr選手、Taisheen選手

――今回、日本でオフライン大会に参加された感想を教えてください。

Taisheen:すごくうれしいですね。日本に来ることを、本当に本当に楽しみにしていました。そして、観客の皆さんも最高でした。一生に一度の出来事です。

rpr:ずっと待ち望んでいたことなので、とても幸せです。1年半ほど経って、やっと日本に来ることができました。僕たちが日本のファンの皆さんに感謝していること、そして皆さんのことが大好きだということを、ぜひ知ってもらいたいです。今日の大会も、すごくいい雰囲気で楽しかったです。

Mande:僕は小さい頃から日本に行きたいと思っていて、今回ついに日本へ来ることができました。ファンの皆さんにも会えて、メンバーと一緒に楽しい時間を過ごせています。

――日本の観光や食事で、楽しみにしていたことがあれば教えてください。

Taisheen:お寿司と和牛ステーキです。最高の食事でした。

rpr:今まで食べたことのない日本食を、たくさん食べてみたいと思っていました。そして、京都と東京を観光したいと思っています。伝統的な日本庭園からお城まで、日本の文化を楽しみたいです。

Mande:日本は、文化も人々も、すごく違っていて、それを実際に体験してみたいと思っていました。しかも、街では大勢のファンに出会えました。もちろん会場でも。みんなに会えて、反応も見れて、本当に最高です。

――日本の『Apex Legends』のeスポーツシーンに、どんな印象を持っていますか?

Taisheen:『Apex Legends』のeスポーツシーンにおける、メインステージのようなものだと思います。みんながゲームを理解し、プレイしているのを見ることができてよかったです。本当にすばらしいと思います。

rpr:日本のチームはとても強いし、日本のeスポーツは急速に成長していると思います。僕は、日本のプレイヤーはもっと評価されるべきだと感じます。なぜなら、彼らは国際大会で本当にいい結果を出しているからです。彼らを相手に戦うのは、とても難しいですね。

Mande:日本人は間違いなくとても努力家で、それはプレイを見ればわかります。彼らはバランスが取れていて、ゲーム知識も豊富で、対戦したり見たりしていて、とてもクールです。

――注目している、日本のチームやプレイヤーはいますか?

Taisheen:全員です。

rpr:「Fnatic」のYukaFです。

Mande:YukaFはクレイジーだね。日本人の中で一番注目しています。

――日本のファンに向けて、メッセージをお願いします。

Taisheen:とてもいい体験でした。観客の皆さんも、すばらしかったです。ありがとうございました。機会があれば、また来たいです。

rpr:日本のファンの皆さん、本当にありがとうございました。コロナの影響が続くなかでも、いつも僕らを明るく応援してくれました。この1年半の間、たくさんの応援をありがとうございます。

Mande:僕たちを歓迎してくれて、ありがとうございます。日本で観光や食事をするときに、何をしたらいいか教えてくれるなど、サポートしてくれたことに感謝しています。僕たちにとって、こうした心温まる歓迎はうれしいことです。本当にありがとうございました。

――「SCARZ EU」の皆さん、ありがとうございました!

「TSM FTX」インタビュー

左から、Reps選手、ImperialHal選手、Verhulst選手

――今回、日本でオフライン大会に参加された感想を教えてください。

Verhulst:間違いなく楽しい経験でした。とても楽しい大会で、みんな親切にしてくれました。観客の前でプレイするのはすごく楽しかったし、みんなとても礼儀正しい人たちでした。すごくよかったです。

ImperialHal:アメリカと比べて、日本のファンは静かで、あまり騒がず、礼儀正しいので、集中してプレイできました。とてもいい環境で、試合を楽しめました。

Reps:彼らが言ったように、日本のファンの皆さんはいい人たちで、とても楽しかったです。Championshipのような大会では、観客がたくさん叫んでいて、集中力を維持しようとすると、少し気になることもあるんです。だから、いい環境でプレイさせてもらえて、感謝しています。

――日本の観光や食事で、楽しみにしていたことがあれば教えてください。

Verhulst:建築物がどんな感じなのか、とても興味がありました。アメリカの都市と比べると、明るい看板などがたくさんある気がして、街全体の雰囲気がアメリカとはまったく違うんです。そういう雰囲気をすごく楽しみにしていました。

ImperialHal:日本の食事を、すごく楽しみにしています。初めて食べる日本の食べ物を試してみたいです。それに、街や文化の違いを見るのも楽しみですね。この後、京都にも行く予定なので、そこでもっと日本を楽しもうと思っています。

Reps:僕も日本の食べ物や文化を楽しみにしていたし、なによりファンの皆さんに会うのをとても楽しみにしていました。でも、実際に日本に来るまで、それがどれほどの規模なのかは理解していませんでした。日本のファン層はとても大きくて、アメリカの10倍は認知されていると思います。

――日本の『Apex Legends』のeスポーツシーンに、どんな印象を持っていますか?

Verhulst:とてもおもしろいと思います。日本のプレイヤーは、アメリカのプレイヤーと比べて、非常に異なるプレイスタイルを持っています。でも、徐々にですが、2つの地域のプレイスタイルが、少しずつ似てきているような気がします。それも、すごくいいんですよ。

ImperialHal:基本的に同じです。日本のプレイヤーは本当に上手いと思う。プレイスタイルについては、メタによって使うべきキャラクターが限られるので、似てきているんだと思います。

Reps:僕も同じ答えですね。

――注目している、日本のチームやプレイヤーはいますか?

Verhulst:cheekyですね。彼は僕にとってのアイドルです。彼は5.4クラシックの感度で、非常に上手くプレイします。彼はすごく若いし、刺激的な存在です。

ImperialHal:やっぱり「PULVEREX」かな。彼らは本当に上手いと思います。Championshipのトーナメントを戦い抜いた彼らのことを、リスペクトしています。

Reps:僕は、HammerDrillのプレイが好きです。僕はキーボードとマウスでプレイしていますが、彼がパッドでプレイしていることは知っています。ホライゾンを使って、戦闘でたくさんのダメージを与えていく彼のプレイがすごく好きなんです。

――日本のファンに向けて、メッセージをお願いします。

Verhulst:ただ、ありがとうと言いたいです。僕たちを観てくれた人たち、みんなに感謝しています。最もリスペクトできるファンでした。君たちは最高だよ。

ImperialHal:YouTubeやTwitch、Twitterなどで応援してくれる皆さん、ありがとうございます。ぜひまた日本に来たいです。

Reps:日本の皆さん、僕たちを応援してくれてありがとうございます。日本でプレイできたことは、すばらしい経験でした。また戻ってくる日が待ちきれません。本当にありがとうございました。

――「TSM FTX」の皆さん、ありがとうございました!