消費増税対策は?政府・2019年度予算案のポイントをまるっと紹介
政府は消費増税による経済への影響を5兆2000億円と試算。幼児教育無償化や年金生活者支援給付金などの措置で3兆2000億円の受益増が見込めることから、「経済への影響を2兆円程度に抑制できる」とし、経済対策費に2兆280億円の予算措置を行う。
また、消費増税に向けた新たな対策として、中小小売業の消費者へのポイント還元に2798億円、生活保護受給者を除く低所得者や0―2歳児の子育て世帯向けプレミアム付商品券に1723億円を予算措置。
住宅ローン減税効果が限定的な住宅購入者に給付する「すまい給付金」拡大に785億円、防災・減災・国土強靱(きょうじん)化対策に1兆3475億円などの予算措置を実施する。
さらに、住宅ローン減税の拡充や、自動車取得・保有の税負担の軽減などの税制上の支援で3000億円程度の減税効果を見込む。経済対策としては、総額2兆3000億円程度の新たな措置となり、政府は「経済への影響を十二分に乗り越える対策だ」とし、消費増税に備えた“総力戦”の構えだ。
ただ、麻生太郎財務相は「経済再生と財政再建の両立を図るものだ」と説明するものの、一般会計の総額は7年連続で過去最大を更新する。
ニッセイ基礎研究所専務理事エグゼクティブ・フェローの櫨(はじ)浩一氏は、「景気の先行きが怪しいのでその意味での備えは必要かもしれないが、増税対策としては緩和策などもたくさん入る。その意味ではやや、やり過ぎではないか」と指摘。その上で、「消費税を上げて景気がおかしくなれば、次に増税する際にさらにハードルが上がると考えたのかもしれない」と話している。
安倍晋三首相が首相に返り咲いて26日で6年。その間、デフレ脱却を目的に政策を総動員し、日経平均株価は1万円近辺から直近では2万4000円台まで回復した。国内外で政治・経済情勢が不安定感を増す中、デフレ脱却を確実なものとするためにも、消費増税の試練を乗り越える必要がある。
一方、概算要求段階で高齢化に伴う社会保障費の自然増を6000億円と見込んでいたが、来年度予算では4768億円に圧縮することで厚生労働省と合意した。
政府は安倍首相を議長とする未来投資会議などとの合同会議で、65歳までの雇用を義務付けた現行制度を維持しつつ、「70歳までの就業機会を確保する」とした。来夏に示す実行計画で3年間で実現をめざす「全世代型社会保障改革」への足がかりとする。
キャッシュレス化と両立 ポイント還元/端末補助
消費増税対策の目玉では、経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」が挙げられる。キャッシュレス決済時のポイント還元やキャッシュレス端末の導入支援などをする。2798億円を盛り込んだ。
ポイント還元では19年10月の増税後から9カ月間にわたり、中小の店舗では5%、大手系列のチェーン店では2%を消費者に還元する。増税に伴う負担感を軽減することで消費の冷え込みを防ぎ、景気の底割れを回避する。
また中小企業・小規模事業者には端末の導入費用を全額補助。国が3分の2、決済事業者が3分の1をそれぞれ負担する。さらに決済事業者に支払う手数料も3分の1を補助する。会計の手間が減り、生産性の向上につながる点を訴えて導入を喚起する。
