ドラマでも話題に。手術ロボット、普及への課題
その手術支援ロボットの代表格がダヴィンチだ。日本では2009年の薬事承認以来約10年で累計約300台を導入。インテュイティブサージカルは3―4年の間隔で新製品を開発し、5月に第4世代となるダヴィンチXを発売した。手術の範囲を限定することで、小型化した。価格は約2億円で、従来機の「Xi」に比べ約1億円安くした。
ダヴィンチ普及への課題の一つが価格。インテュイティブサージカルは小型化によって価格を抑えたほか、7月にはリユース鉗子の価格を一部下げる予定だ。
課題のもうひとつが「腹腔鏡手術などと診療報酬の点数が同じ点」(滝沢一浩社長)。ロボット支援手術の保険適用が拡大したとはいえ、腹腔鏡手術や胸腔鏡手術を行ってきた病院や医師にとって「(コストのかかる)ダヴィンチを導入するメリットがあまりない」(関係者)と判断する傾向がある。
そのため、優位性の訴求が欠かせない。約600件のロボット支援手術を行ってきた藤田保健衛生大学病院消化器外科医の宇山一朗医師によると、14施設で326例のロボット支援手術を行ったところ、8例の患者が合併症を発症、これは全体の2・4%で腹腔鏡手術の半分以下になることを確認した。宇山医師は「合併症のリスク抑制につながる。術後早期に社会復帰が期待でき、患者の生活の質も向上する」と評価する。
20年の診療報酬改定に向け、学会を挙げてダヴィンチを用いた症例数を獲得したり、エビデンスの取得を進めたりする。インテュイティブサージカルはダヴィンチを操作できる医師の育成などに協力する。
こうした取り組みを通じ、優位性を高めて診療報酬の点数を増やし、病院や医師にとってのメリットを生み出していく考えだ。
(文=清水耕一郎)
