空前の設備需要、「納期の乱れ」深刻化
生産財受注が活況を呈している。代表格が工作機械だ。業界団体の日本工作機械工業会(日工会)の調べによると、2017年度の工作機械受注は統計開始以来初めて1兆7000億円を突破し、1兆7800億円に達した。日米欧中のすべての主要市場がおしなべて盛況という、近年まれに見る地合いだ。
また、半導体産業は約4年ごとに好不況を繰り返す「シリコンサイクル」から、長期需要が続く「スーパーサイクル」に昇華。このため半導体製造装置の需要が沸騰している。結果、工作機械は半導体製造装置や他の生産財と共通する基幹部品の取り合いで、人手不足も重なり、納期に混乱が生じている。
工作機械産業も、数年周期で好不況の波があるシクリカル産業の典型で、各社の投資判断は極めて慎重だ。実際、旺盛な設備需要があった07年に生産能力増強に動いた部品メーカーがあったが、翌年リーマン・ショックが直撃し、辛酸をなめた。
人手不足は協力会社でもある中小企業でより深刻だ。ある生産財幹部は顧客の言葉が胸に刺さる。「複数の工程をまとめたり機械に置き換えたりする複合化、自動化の投資をし、残業もさせた。もう打つ手がない」。
生産財各社が複合化・自動化技術を積極投入している。労働人口減少の中、生産性や品質を向上させるには有力な方向だ。しかし、現状はこれを上回る速度で事態は進行している。
歴史は繰り返す。現在の市況はいつかピークを越え、停滞し、また好転するはず。今回の教訓をいかに生かすかで真価が問われる。
