PSYが謝罪した反米ソング「Dear America」とは?

写真拡大

「江南スタイル」で人気を集める韓国人歌手PSY(サイ)が、過去に歌った米軍を非難する楽曲「Dear America」について謝罪した。米メディアが最近、PSYが同曲を歌っていたことを問題視し、オバマ米大統領が出席するパーティでの公演は不適切だと指摘したことへの対応だ。

PSYは8日、報道資料を通じて同曲を歌ったことについて正式に謝罪。「扇動的で不適節な言葉を使ったことについて、深く後悔しています」「米国国民が私の謝罪を受け入れてくれることを望みます」と反省の弁を述べた。

では、米国の複数のメディアが「オバマ大統領の前で公演を行うのは不適切」とまで問題視した「Dear America」とは、どのような曲なのだろうか?

韓国メディア「スポーツ京郷」によると、同曲は米国のイラク侵攻や韓国軍派兵などに反対するメッセージを込めてPSYが作曲した。この曲が発表された2004年当時は、米軍による捕虜への拷問や民間人の虐殺などが問題視されており、韓国国内では反戦、反米の雰囲気が高まっていた。特に、韓国では2002年に女子中学生2人が米軍装甲車に轢かれて、死亡する事件が発生していたことから、韓国国民の米国に対する反発は非常に強まっていたという。

歌詞を一部訳すと次のようになる。「イラクの捕虜を強姦しまくった××××野郎たちと/拷問を命じた××××野郎たちの/娘、子、妻、父らをすべて殺せ/とてもゆっくりと殺し、苦痛を与えて殺せ」

このように同曲には米軍を非難する過激な表現がちりばめられている。また、PSYが2002年に行った公演の映像では、赤い服を着て顔を金色に塗ったPSYが戦車をたたき壊すというシーンが登場する。PSYは米軍が起こした事件を「歌」という自分なりの表現方法を通じ、何度も非難していたようだ。

だが、そのような政治的な主張を行ったことについて、謝罪する必要はあるのだろうか?謝罪文には、「8年前に私が歌った楽曲は、世界的に反戦世論が拡散する中で発生したイラク戦争や、韓国人少女2人が亡くなるという事件に対する感情的な対応」という説明がある。どうやらPSYは、楽曲自体ではなく、使用した言葉について謝罪したようだ。実際、PSY側の関係者も「過度な表現によって傷つけたことについて謝罪した」と話している。

スポーツ京郷によると、米国で起きた「反米ソング」問題は、PSYの迅速な対応により事態は沈静化に向かっているという。だが、韓国と海外(主に米国)で活動するPSYにとって、思わぬ騒動を巻き起こした8年前の「反米ソング」は今後も悩みの種となりそうだ。




参照:スポーツ京郷
参照:スポーツソウル

■【韓フルタイム】とは……
【韓フルタイム】とは韓国に特化した情報を提供する媒体です。
韓国に詳しい専門の日本人記者が取材、執筆を行っております。