住宅価格の高騰が続く中、意外なデータが注目を集めています。日経新聞の報道によると、29歳以下の持ち家比率が40.7%と過去最高を記録し、2000年のおよそ2倍に急増しているとのことです。「このまま値上がりを続けたら一生家が買えなくなるのではないか」という若年層の焦りと、早期取得の動きが浮き彫りになっています。
こうした市場環境の中で登場したのが「50年ローン」などの超長期ローンやペアローンです。今回は、らくだ不動産株式会社の代表取締役社長である山本直彌さん、執行役員・エージェントの八巻侑司さん、そしてエージェントの益山真さんの3名に、若者の住宅購入トレンドに潜む罠と、絶対に避けるべきNGな買い方について解説していただきました。

◾️20代の住宅購入が加速する背景と「50年ローン」の誘惑
「今買わないと、もう買えない」という心理が20代の背中を押しています。
自身も20代でマイホームを購入した益山さんは、次のように語ります。

「日経新聞のデータにある通り、20代の持ち家率は確実に上がっています。背景には住宅価格の一段の高騰があり、『家賃を払い続けるのがもったいない』『インフレ対策として現金を不動産(リアルアセット)に変えておきたい』というマインドが若い世代にも浸透しているからです。私自身も、毎月の支払額を現実的な範囲に抑え、駐車場代などのランニングコストを最適化するために、50年ローンを活用して戸建てを購入しました」
価格が高騰した都心の物件でも、50年ローンにすることで月々の返済額を抑え、20代でも手が届くようになるというメリットがあります。
◾️超長期ローンやペアローンに潜む「2つの大きな罠」
しかし、月々の支払いが抑えられるからといって、安易に限界までローンを組むことには大きなリスクが伴います。八巻さんは、特に若い世代が陥りがちな罠を2つ指摘します。
・「どちらかが働けなくなったとき」の破綻リスク
20代の購入では、夫婦2人の収入を合算する「ペアローン」や「収入合算」で50年ローンを組むケースが目立ちます。しかし、出産や育児、あるいは体調不良などでどちらか一方の収入が減った際、月々20万~30万円といった重い返済を維持できるかという視点が欠落しがちです。
・元本が減らない「オーバーローン」の恐怖
50年ローンは毎月の支払いが軽い分、最初の10年~20年は驚くほど元本が減りません。もし将来、ライフステージの変化で家を売却せざるを得なくなったとき、「売却価格よりもローンの残債の方が多い(オーバーローン)」という状態に陥り、家を手放しても借金だけが残るリスクが極端に高くなります。