“メジャー即戦力”の評価を得た前田

 12日の日米野球初戦で先発し、5回2安打無失点の好投を見せた侍ジャパン前田健太投手(広島)がメジャーの名手から“メジャー即戦力”の太鼓判を押されている。MLB公式サイトが伝えている。

 ロイヤルズのワールドシリーズ進出に貢献したアルシデス・エスコバル遊撃手は「彼は色々な球種を織り交ぜていた。スローカーブ、スライダー、チェンジアップ、カーブ。彼はすごくいいピッチングだった。メジャーでも通用する。いいボールを持っているね」とコメント。

 青木宣親外野手とともに1、2番コンビを組み、ロイヤルズの1985年以来となるプレーオフ進出に貢献したエスコバルはそう語って前田の実力を認めた。エスコバルは前田にセンターフライ、三振と完璧に抑えられている。

 また、ロッキーズのナ・リーグ首位打者、ジャスティン・モーノー一塁手も「彼はメジャーで通用する。彼のピッチングを(メジャーで)見られると確信している。いいボールを持っている」と認めた。モーノーも前田の前に2打席凡退に終わった。

「誇大広告ではないことを実証」

 一方、MLBオールスターチームを率いるレッドソックスのジョン・ファレル監督からは慎重な発言も飛び出した。

「(日本からメジャー移籍時には)中6日から中4日の登板になる。マウンドの状態も違う。ボールの素材も違う。対戦相手も1番から9番までメジャーの打者のパワーは日本とは違う。時差もある。だから、ピッチャーは身体的に試練を乗り越えなければいけない。直面することはたくさんある」

 以前から地元紙も、前田のポスティングによるメジャー挑戦が決まった場合にレッドソックスが獲得に乗り出す可能性を報じており、ファレル監督にとっても右腕の投球を間近で見る機会は貴重だったに違いない。メジャー挑戦する日本人投手が一般的に直面する課題について言及した指揮官だが、本心ではその投球をどう見たのか。

 特集記事で「前田はジャパンシリーズでの珠玉のピッチングで誇大広告ではないことを実証した」との見出しで称えられた右腕。第1戦での好投によってメジャー相手にその実力の一端を見せることに成功した。