主役でも脇役でも記憶に残る「伊藤沙莉」の凄み…「女王の教室」で共演した“天海祐希”の金言と、憧れ続ける“背中で演じられる俳優”
10月期の目玉作品に出演
7月期のドラマが続々とスタートしたが、堺雅人(52)が主演を務め、阿部寛(62)、二宮和也(43)ら豪華キャストを集めたTBS日曜劇場「VIVANT」に負けないくらい、テレビ朝日もなかなか豪華な顔ぶれを揃えている。
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火曜午後9時は今田美桜(29)主演の「クロスロード〜救命救急の約束〜」。水曜午後9時は松下奈緒(41)が大森南朋(54)、相葉雅紀(43)とともにトリプル主演の「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係〜」。そして木曜午後9時は、趣里(35)主演の「大空港〜GATE24〜」……実は、この3人の主演女性俳優には、ある共通点がある。

「3人とも、NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)で主演を務めています。松下さんは『ゲゲゲの女房』(10年)、趣里さんは『ブギウギ』(23年)、今田さんは『あんぱん』(25年)です。朝ドラで主演を務めると、特に中高年以上の視聴者の認知度が高まります。テレビ各局の中でも、中高年以上の視聴者向け番組が多いテレ朝だけに、3人をブッキングしたのでしょう。しかし、朝ドラ主演後は必然的に連ドラ1本あたりのギャラのランクもアップします。現状だと、1クールに3人も朝ドラ主演経験者をブッキングできるのはTBSかテレ朝くらいでしょうね」(民放テレビドラマ制作スタッフ)
朝ドラ主演俳優たちは、その後も着実にステップアップしているが、映像制作関係者の間で、とりわけ注目を集めているのが、10月期に日本テレビが力を入れている「俺たちの箱根駅伝」にキャスティングされた伊藤沙莉(32)だ。朝ドラは「虎に翼」(24年)で主演を務めている。
「日テレのキラーコンテンツで、正月の国民的行事でもある箱根駅伝を題材に、直木賞作家・池井戸潤氏の原作のドラマ化です。大泉洋さん(53)が、箱根駅伝の中継を担当するテレビ局のチーフプロデューサー・徳重亮役。伊藤さんはセンターディレクターの宮本菜月役で、主要キャストの一人に起用されています。いまだに往路・復路中継ともに高い視聴率を記録する箱根駅伝を題材にしているだけに、高視聴率が期待されており、2クールにわたって放送される『VIVANT』に対抗できる作品の一つではないかと言われています」(放送担当記者)
伊藤は朝ドラ主演後、地上波GP帯の連続ドラマに出演するのは同作が初めてとなる。フジテレビ系の動画配信サービス・FODで配信され、地上波でも放送された「ペンション・恋は桃色」にはヒロイン役で出演している。興行収入30億円を超えるヒット作となった映画「爆弾」に警察官役で出演。そして、人気占い師だった故・細木数子さんの半生を描いたNetflixのオリジナルシリーズ「地獄に堕ちるわよ」では、細木さんの自伝小説の執筆を依頼された作家・魚澄美乃里役を演じ、2027年には主演した朝ドラ「虎に翼」の劇場版が公開される予定だ。
「彼女は売れる前と同様、安易に主演のオファーを受けない印象で、脇役で“爪痕”を残し続けている。それでも、どの作品の役もハマっています。代表作の役のイメージが強くなる俳優が多い中、主役でも脇役でも、どちらでも輝く希有な存在です」(芸能記者)
天海祐希の金言
兄は人気お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介(36)として知られる伊藤。21年6月12日放送のTBS系トークバラエティー番組「人生最高レストラン」で、亡くなった父親が事業に失敗して蒸発し、家を追われて一家離散したことを明かしている。その後は、母子家庭で育った。もともとはダンサー志望で、キッズのダンス大会で優勝した経験もあったが、9歳だった03年の俳優デビュー作「14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜」(読売テレビ・日テレ)で、いきなり難役に挑戦した。
「演じたのは、若返りの薬によって少女の姿になってしまった女性研究員の役。頭脳は大人、体は子供という難しい設定を見事に演じきり、いきなり才能の片りんを発揮。業界内で『あの子役は誰?』と注目を浴びたのです」(ドラマに関わっていた日テレ関係者)
その後、「女王の教室」(日テレ、05年)では志田未来(33)を、「GTO」(カンテレ・フジ、14年)では小芝風花(29)を、「怪盗 山猫」(日テレ、16年)では広瀬すず(28)をイジメ倒す役を演じた。
「女王の教室」では、主演の天海祐希(58)から授けられた“金言”を、日テレ系バラエティー番組「しゃべくり007」に出演した際に明かしている(23年7月3日)。
「(天海が)『あなたはカメラが自分に向いてないときでも、必ずしっかりお芝居をしている。いつか誰かが見つけてくれるから、手を抜いたり気を抜いたりしないで。あなたは素敵だから、ずっとそのままでいて』って。それだけは守ってきました」
そんな天海の言葉を胸にステップアップを果たし、連ドラ史上初めて「ガールズラブ」をテーマにした「トランジットガールズ」(フジ、15年)で佐久間由衣(31)とダブル主演を務めた。「ひよっこ」(17年)では朝ドラ初出演を果たす。そして、山田孝之(42)が主演したNetflixの「全裸監督」シリーズでは、撮影チームのメイク担当・小瀬田順子役を演じた。
「同シリーズで伝説のセクシー女優・黒木香さん役を演じた森田望智さん(29)は、2027年度前期の朝ドラ『巡るスワン』に主演。伊藤さんと森田さん、2人の朝ドラ主演女優を輩出する、伝説的な作品になりました」(同前)
その後、「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」(テレ朝、23年)でゴールデンプライムタイムの連続ドラマ初主演を果たした伊藤が、あこがれの存在として挙げたのが、18年に亡くなった名優・樹木希林さんだった。20年11月30日に「東洋経済オンライン」に掲載された作家の樋口毅宏氏との対談で、伊藤は目標の俳優を聞かれ、こう答えている。
「ずっと憧れていて、リスペクトしていたのは、やっぱり樹木希林さんです。共演させていただくのがず〜っと夢だったんです。もう叶えられなくなってしまったのですが……」
背中で喋る
樹木さんにあこがれる理由についても、彼女らしい理由をあげている。
「大人になってから見た『悪人』(10年)という映画で、樹木さんの背中が“すごくよく喋っている”と感じて。この人は、人生を背中に背負っているんだなって。それで生意気ですけど、いつか樹木さんみたいな背中で演じられる俳優になりたいと思うようになりました」
伊藤は25年1月4日、劇作家・演出家の蓬莱竜太氏(50)と24年末に結婚したことを、自身のインターネットラジオ番組で発表し、公私ともに順調だ。
「伊藤さんの所属事務所は老舗のアルファエージェンシー。平田満さん(72)、豊川悦司さん(64)、萩原聖人さん(54)、毎熊克哉さん(39)、柄本佑さん(39)、余貴美子さん(70)、和久井映見さん(55)ら演技派ぞろいで、育成にも定評があります。そういう土壌に、伊藤さんのぶれない信念があったからこそ、若き演技派に成長したのでしょう。年齢を重ねると、あこがれの樹木さんのような俳優に成長しそうです」(同前)
デイリー新潮編集部
