「新庄体制」終焉なら“流出”がささやかれる日本ハム“2人の主力選手” 投打の柱の去就は? オーナーも「来季監督は白紙」と明言し…
後半戦がスタートし、パ・リーグは首位を快走するソフトバンクをどの球団が追い上げるかが注目される。その筆頭候補とされるのが日本ハムだ。8月2日時点で貯金13の3位につけ、6.5ゲーム差で追いかける。一方で、就任5年目の新庄剛志監督(54)は来季も続投するか否かは不透明な状況。加えて、主砲とエースの2人の主力選手に他球団移籍の可能性がある。後半戦の戦いぶりが、今オフの去就に大きな影響を与えることは間違いない。
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ライバルには大きく負け越し
チームを土台から立て直した新庄監督の手腕は評価が高い。清宮幸太郎、万波中正、水野達稀、田宮裕涼と生え抜きの若手たちが主力に成長し、投手陣は伊藤大海、北山亘基、加藤貴之、有原航平、細野晴希など8人以上の先発候補がいる。田中正義、郡司裕也、水谷瞬、吉田賢吾など他球団で伸び悩んでいた選手も移籍後に活躍。個々の選手のレベルが上がることで、チーム力も引き上げられた。

就任1年目から2年連続最下位だったが、24、25年と2年連続2位に。指揮官が「打倒・小久保裕紀」を掲げた今年は、2年連続最多勝投手の有原をそのライバルから獲得するなど、リーグ制覇に向けて準備が整ったかに見えたが、意外な展開に。貯金を2ケタ以上積み上げているが、ソフトバンクとの対戦成績は2勝12敗と大きく負け越している。
守備力の差
「両球団の大きな差は守備力です。前半戦では、ソフトバンクの32失策に対し、日本ハムはリーグワーストの61失策。記録がついていない拙守も目立ちます。戦力差がある対戦相手だと、長打力で打ち勝てますが、ソフトバンクとの対戦では守備の綻びが致命傷になる。この対戦成績は決してアンラッキーではなく、必然の結果だと思います」(スポーツ紙デスク)
新庄監督は守備、走塁を重視してきたが、打線を強化しなければソフトバンクを超えられないと判断したのかもしれない。守備力が落ちるのは覚悟の上だったかもしれないが、後半戦は修正の必要がある。球団フロントはどのように評価しているのだろうか。
日本ハムを取材するスポーツ紙記者は語る。
「球団サイドは育成と勝利を両立した手腕を高く評価していますが、現時点で来季の去就は白紙です。5年間指揮を執って今年もV逸となれば、“優勝できる監督”を目指して次のステップに進むことが考えられる。一方の新庄監督も、その性格からすると地位に恋々とすることはなく、スパッと次の道に行く可能性が高いと見られています」
新庄監督の今季の契約は1年なので、シーズン末で更新時期を迎える。7月16日のオーナー会議後、取材に応じた日ハムの井川伸久オーナーは、来季の進退について問われると、「まだ議論していない」と明言、現時点では未定であることを強調――と報じられた。退任の場合、
「後任の有力候補とみられるのは、稲葉篤紀2軍監督です。侍ジャパンの監督を務めて21年の東京五輪で金メダルを獲得した実績がありますし、チームの状況を熟知しているので適任でしょう」
日本球界の父親
新庄監督が退任となれば、主力選手の動向に影響を及ぼす。今オフに争奪戦が予想されるのが、主砲のフランミル・レイエス(31)だ。昨シーズンは本塁打と打点の2冠を獲得。来日3年目の今年も前半戦で打率.328、21本塁打、54打点をマークし、打率はトップ、本塁打と打点も3位と、好成績を残している。
指揮官はレイエスに全幅の信頼を置くばかりか、野球に向き合う姿勢をナインに見習うように伝えているほど。強固な信頼関係で結ばれている2人は球宴でも盛り上げた。第1戦のスタメン発表の際に、全パのコーチを務めた新庄監督が規格外のサイズの帽子を着用して登場すると、「4番・指名打者」でスタメン出場したレイエスも同じサイズの帽子を着用してグラウンドに現れた。
「レイエスにとって、新庄監督は『日本球界の父親』のような存在です。来日1年目に打撃不振の時にファームに降格された際は怒りを露わにしていましたが、日本野球に慣れるために与えられた期間だと知って感謝の思いに変わっています。新庄監督が今年限りで退任となれば、自身の去就にも当然影響を及ぼすでしょう」(日本ハムの関係者)
レイエスは6月の月間MVPを受賞した際の会見で、「来年の去就がどうなるかは正直、分からないところです。別のチームでやるかはまだ不透明だが、このチームにいる間は優勝したいと強く思っている」と含みのある発言をして話題となった。日本球界で活躍する外国人強打者には希少価値があり、今オフは獲得を巡って複数球団によるマネーゲームになる可能性が高い。
MLBも高評価
そしてもう1人の流出候補は、エースの伊藤大海だ。伊藤はメジャーの評価が高い。昨年は2年連続最多勝に輝き、自身初の最多奪三振のタイトルも獲得。3月のWBCでは救援登板した準々決勝・ベネズエラ戦で逆転3ランを浴びて敗れたが、新庄監督は開幕投手に抜擢した。
「新庄監督は伊藤を滅多に褒めない。エースとして求める水準が高いからです。伊藤もそれを理解してレベルアップに励み、球界を代表する投手に成長した。28歳という年齢を考えると、今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦が考えられます」
昨オフに西武からポスティングシステムでアストロズに移籍した今井達也が制球に苦しんでいるが、メジャーのスカウトは「伊藤は大丈夫ですよ」と高い評価を口にする。
「力強い直球に加え、多彩な変化球を器用に操る。球種が少ない今井と比較して打者を打ち取るパターンが多い。今年のWBCでは本来の力を発揮できませんでしたが、制球で崩れる心配がない投手です。メジャー挑戦となれば、先発陣が不足している球団は獲得を検討するでしょう」
今季の伊藤も、出だしこそWBCの後遺症に苦しんだが、その後、持ち直し、前半戦で8勝5敗の成績を収めている。
レイエス、伊藤が移籍となれば大きな痛手になるが、これまでも日本ハムは主力の新陳代謝を繰り返してきた。新庄監督が指揮を執り、現メンバーでいつまで戦えるか分からない。今はソフトバンクを倒してV奪回に全神経を注ぐ。
デイリー新潮編集部
