レクサスのSUVと金正恩氏(朝鮮中央通信)

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北朝鮮で個人所有の自家用車が増加する中、交通事故も急増していることが分かった。一方で、自動車保険や損害賠償制度といった社会制度の整備は追いついておらず、事故処理を担う当局が対応に苦慮しているという。デイリーNKが28日、平安北道の消息筋の話として伝えた。

報道によると、今年4〜6月の1四半期だけで、新義州市や義州郡、龍川郡、塩州郡一帯では、自家用車による交通事故が30件を超えた。このうち相当数は新たに運転免許を取得したドライバーによるもので、女性運転者も少なくなかったという。

事故の多くは駐車やバック、交差点への進入時に発生し、車同士の軽い接触や対物衝突が中心だった。大規模な人身事故は少ないものの、運転技術や経験不足が主な原因とされる。

背景には、北朝鮮で個人名義による自動車登録が可能となり、自家用車の普及が進んでいることがある。家族で1台の車を共有するケースが増え、所有者だけでなく配偶者や子どもまで運転免許を取得する家庭も珍しくなくなったという。

(参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

かつて北朝鮮では、運転手になるには1年以上にわたり専門の養成機関で教育を受ける必要があり、運転は専門職と位置付けられていた。しかし現在は、筆記試験と実技試験に合格すれば比較的容易に免許を取得できるようになったとされる。さらに、操作が簡単なオートマチック車の普及も重なり、十分な運転経験を積まないままハンドルを握るケースが増えているという。

消息筋は「交通安全員も、新人ドライバーが急増したことで事故処理の負担が大きく増えたと漏らしている」と話した。