佐々木麟太郎

写真拡大

 昨秋のNPBドラフトでソフトバンクから1位指名を受けていた佐々木麟太郎(21)が記者会見を開き、MLBドラフトで8巡目指名されたマーリンズへの入団を表明した。

【写真で見る】日本一プロ野球選手を輩出している大学は? 「大学ベスト20」の一覧

「NPB1位選手の契約金の相場は1億5000万円ですが、マーリンズとの契約金は約21万ドル(約3400万円)。1億円超を棒に振る決断に米国の野球関係者は驚いていました」

 そう語るスポーツ紙デスクによると、日本球界に与えた衝撃はそれ以上で、

「某球団幹部は“MLBの上位指名に彼が靡(なび)くなら仕方ないが、8巡目指名に負けるとは思わなかった。日本の若者にNPBがかくも不人気とは……”と肩を落としていました」

佐々木麟太郎

“ホークスはポスティングを認めないから敬遠したのでは”との観測もあるが、

「ダイエー時代に井口資仁が自由契約となってMLB入りしています。抜け道がないわけではありません」

 マーリンズに入団しても、8巡目という下位指名ではマイナー、それも1Aやそれ以下のルーキーリーグからのスタートとなる。1試合でもメジャーでプレーできた選手は5人に1人ほどで、多くは2〜3年で解雇されてしまう厳しい世界だ。

いばらの道を選んだ理由

 そんないばらの道を彼はなぜ選んだか。鍵は“大学”だ。

「“スタンフォード大学を卒業したい”とも明かしています。米国のプロスポーツ選手はオフに大学に通うことも珍しくないのです」

 同大は大学ランキングで東大よりもはるか上の世界1、2位を争う名門だ。しかも、

「ソフトバンクを袖にしたからといって、NPBの扉が閉ざされたわけではない。マーリンズとの契約が切れたら、再度ドラフト指名を受けて日本でプレーできます」

 彼はまだ2年生。在学を継続して来年のMLBドラフトに期する手もあったが、

「2度目のドラフトはどうしても“残り物”感がある。来季の大学リーグで活躍できるとも限りませんし」

 そもそも日本に戻る気がないのなら、昨秋のNPBドラフト前に“指名しないで”と宣言すべきだったのではないだろうか。

「MLBで全く指名されないことを恐れたか。学生が幾つも内定を取るのと同様、将来のオプションを増やしておきたかったのでは」

 なるほど、ソフトバンクに入ればある意味で“終わる”。だが、いまの彼は“メジャー挑戦”“大学”“NPB”という3枚のカードをキープしているのだ。

 結局、ソフトバンクは振り回されただけなのか。

「ただ、契約期限ギリギリまでソフトバンクと両てんびんにかけていたら、マーリンズの契約金をつり上げられたかもしれないのに、それをしなかったのは偉い!」

 ともかく応援しよう。

「週刊新潮」2026年7月30日・8月6日号 掲載