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連休最終日で7月20日の「海の日」は猛暑日だったところも多く、全国の海水浴場は家族連れでにぎわっていた。しかし、その海水浴場が消失の危機に瀕している。

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その理由は、海水浴客が激減しているからだ。日本生産性本部の「レジャー白書」によると、1985年に約3790万人だった海水浴客は、2024年には約440万人に減っている。約40年で9割減だ。

日本財団の意識調査によれば、1年間で1度も海を訪れていない人は、2024年で52%にのぼり、5年前の約1.6倍になった。この結果を見ると、海水浴離れではなく、“海離れ”と言えそうだ。

同財団の調査で「海に行った理由」を聞くと、①リラックスするため(24%)、②ドライブ(21%)、③海辺でのんびり(20%)、④景色を見るため(19%)、⑤海鮮料理を食べるため(14%)だった。

「海に行かない理由」は、①家から遠い(28%)、②海に行く発想がない(24%)、③時間がない(17%)、④日焼けしたくない(16%)、⑤疲れる(12%)、となっている。

海水浴客が増えたところもある。神奈川県・鎌倉市の由比ガ浜海水浴場では、2025年の海水浴客が前年比1.7倍に増えた。海の家の営業時間を20時30分まで入店可能にして「夜の海の家」にしたり、サンセットライブを行って集客したりした。昼間は暑すぎて来ない人でも、夜なら来てくれる可能性があるということだ。

海水浴客を呼び込むために、藤沢市の片瀬東浜海水浴場ではGPS機能搭載ライフジャケットの無料貸し出しを行っている。子どもを連れた親にとって、このサービスは安心だ。茅ヶ崎市のサザンビーチちがさきでは、砂浜にバリアフリーマットを設置し、車いすやベビーカーの移動が楽になるようにした。また、水陸両用の車いすを無料で貸し出している。

そうした努力を続ける海水浴場がある一方、全国的には閉鎖する海水浴場が増えている。日本観光振興協会の調査では、1990年の1379カ所をピークに、2024年は969カ所と、約30%減っている。

近年では、茨城のゴールドコーストとも呼ばれた大竹海岸海水浴場(茨城県鉾田市)は砂浜の消失により閉鎖し、大阪府の淡輪海水浴場・箱作海水浴場は、利用客の激減による赤字と監視員等20人のスタッフ確保が困難になり今夏の開設を見送った。岡山県の宝伝海水浴場は、ライフセーバーなどの人手不足と砂浜の消失が重なり完全閉鎖された。

“海離れ”の理由として、人口減少や若者のクルマ離れもあるが、若者の価値観が劇的に変わったことが大きい。例えば、1970~80年代にサーファースタイルが若者の間で流行し、サザンオールスターズなどがそのブームをけん引したが、現在、20代以下のサーファーは市場全体の数パーセントと言われている。10年後は海に行けばほとんどが50歳以上のサーファーであふれている状況だ。

そして、令和の若者は日焼けが嫌いだ。80年代のバブル期、リゾート人気やアウトドアブーム、日焼けマシーンの流行など、日焼けには常に「健康的」というポジティブなイメージがあったが、それは遠い過去のものとなった。日焼けはシミ・そばかすの原因になるばかりか、皮膚がんの原因とも指摘されている。

さて、政府は7月の第3月曜日を「海の日」として祝日に制定し、1996年から施行されているが、「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う」目的は達成されるのか。

文/横山渉 内外タイムス