【高橋 克英】”14億円越え”のニセコの超高級物件が即完売…「ホテルコンドミニアム」が生み出す驚愕のキャピタルゲイン

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日本随一のスキーリゾート地としてその地を確固たるものにする北海道ニセコ。いま全国のリゾート地では、「第二のニセコ」を目指す開発競争が加速しているーー。なぜ国内外の富裕層はリゾートを求め、巨額の投資と消費を繰り返すのか。その背景には、金融政策やAI時代の到来がもたらした世界的な「カネ余り」と、「退屈で、ひまな社会」の広がりがある。

富裕層との実際のやりとりやリゾートでのヒアリングをベースに分析した新書『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』より一部を抜粋・再編集して、世界の高級ブランドや超富裕層がいま日本に進出する理由を読み解く。

富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社+α新書)

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投資先のトレンドは海外から国内へ

日本人富裕層はこれまで、主にハワイや東南アジアでホテルコンドミニアム投資を行ってきた。こうしたトレンドが、国内の新規物件増加で変化している。

アジアの華僑を中心とした海外富裕層に交じって、首都圏や関西圏の日本人富裕層による、国内リゾート地を中心としたホテルコンドミニアムの購入が増えてきているのだ。また、オーナー企業や大企業、IT新興企業などによる、福利厚生利用などを目的とした法人名義での投資も増えてきている。

ハワイや米国、豪州など海外のホテルコンドミニアムと比べて割安で、東南アジアなどの物件に比べたら政治的な安定や治安の良さがあり、東京都心の不動産よりも利回りが期待できる、キャピタルゲインの可能性、取得によるステータスや話題性といった点が国内のホテルコンドミニアムへの投資のポイントとなっているようだ。

2016年に開業した「フォーシーズンズホテルアンドホテルレジデンス京都」は、ホテル棟とレジデンス棟(ホテルコンドミニアム)からなり、レジデンス棟の総戸数は57戸。当時4億円台から10億円台で販売されたが、高級不動産仲介会社サザビーズのサイトを覗くと、2ベッドルーム151m2超の部屋が約13億円で売り出されていたりする。

「即完売」の争奪戦状態

ニセコでは、本書でたびたび例に挙げている2020年に開業した「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」もホテル棟とレジデンス棟からなる。レジデンス棟は、ハイアットグループによる日本初の取り組みで、地下2階、地上8階建てで分譲戸数は113戸。所有者は、オーナー専用のロッカー、スキーロッカーに加え、オーナー専用のプライベートラウンジやスキーバレーサービスがプレミアムとしてつく。もちろん宿泊施設として貸し出すことができ、いわば「パークハイアットのホテルオーナー」になれる。

レジデンス棟の販売は、三井不動産リアルティレジデンスなどにより実施され、例えば、開業時には、約72m2の半露天風呂付きの部屋が、約1億8000万円で販売されており、東京都心部にある高級マンションと遜色ない価格帯だ。メゾネットタイプは10億円以上、スキーイン・スキーアウトが直接可能なゲレンデに面した部屋では14億円を超える超高額物件もあるが、113戸のレジデンス棟は完売している。

富裕層限定のため滅多に売却物件が「表」に出てくることはないものの、当初販売価格の倍以上の高値で売買されているものもあり、出物があれば即完状態が続いているという。

実際、開業当初、温泉テラス付きの1ベッドルーム一戸(102.34m2・約30.95坪)約2億5000万円(808万円/坪)で販売された物件が、足元の流通市場では、ほぼ2倍の4億9000万円(1583万円/坪、2025年10月5日)で内々で売りに出されており、他の国内リゾート地から頭一つ飛び抜けた状態が続いている。

80%から100%近くを華僑など海外富裕層が所有するひらふ地区を中心としたニセコの他の高級コンドミニアムと違い、三井不動産リアルティが抱える富裕層顧客を中心に、法人名義を含む、首都圏や一部関西圏の日本人による購入が、半数以上を占めるという。ニセコへの投資が、海外だけではなく国内の富裕層からも増えてきているのは、投資家層の拡大と多様化という点でもプラスの材料といえる。

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