【解説】混乱国会、正常化つながるか――参議院の集中審議や党首討論で合意 維新肝いり2法案の行方は【#みんなのギモン】
混乱が続く国会をめぐり、参議院では高市首相が出席する集中審議や党首討論を行うことで合意しました。正常化につながるのか――。これまでの経緯と今後の見通しを日本テレビ解説委員の高柳裕美・政治部デスクが解説します。
■与野党激しく対立 2つの理由

与野党が激しく対立している理由は2つあります。1つ目は、中傷動画作成報道などをめぐる高市首相の対応です。国会答弁の代わりに秘書の陳述書を提出すると表明して幕引きを図る動きを見せたことで、野党は「国会軽視だ」と反発しました。
また、野党側は高市首相の予算委員会の集中審議への出席と党首討論の開催を強く求めていましたが、与党側から回答が得られず、まず参議院の審議を拒否していました。
2つ目の理由は、日本維新の会の肝いり政策である「定数削減」と「副首都構想」の2つの法案について、与党だけで強引に審議入りを決めたことです。これに野党が猛反発して本会議や審議をすべて欠席し、国会審議が全面的にストップしている状態が続いていました。
■衆院議長が仲介も正常化できず、異例の事態に

こうした激しい対立を受けて、先週には「三権の長」である衆議院議長が仲介に乗り出しました。森議長は与野党7党の代表者を集めて会談し、国会の正常化を要請しましたが、正常化できないという異例の事態が起こっていました。
こう着状態が続く中、立憲民主党の水岡代表は6日、こう強調しました。
立憲民主党 水岡代表
「明らかに総理の審議拒否であり、これまでの総理に比べ高市総理の国会出席は明らかに少ない。政府与党の強引で不誠実極まりない対応では新たな日程協議には応じられない」
■過去5年と比較し低い水準の法案成立率

国会の混乱で、今の国会で提出された法案64本のうち、成立したのは47本で、成立率はおよそ7割でした。過去5年の成立率が8割くらいだったことと比較すると、低い水準であることがわかります。
残る17法案には皇室典範改正案のほか、再審制度を見直す刑事訴訟法改正案などがあり、その行方が注目されています。
■集中審議・党首討論で与野党が合意

参議院の自民党と立憲民主党は6日、高市首相が出席する今月の党首討論と、今の国会中の予算委員会集中審議の開催で合意しました。高市首相の国会出席を求める野党の要求を一部受け入れたことになります。
党首討論については今月15日に行うことで調整していく一方、予算委員会の集中審議については、与党側は「会期内に行う」としていて、具体的な日程については合意していないということです。野党側としては、方向性が見えたことで、政府が提出した法案はあすから委員会で審議できるようにするということです。
一方で、対立のもう一つの理由だった日本維新の会の法案の扱いも焦点です。野党側は、与党側に衆議院の定数削減法案と副首都法案の成立断念を求めています。
高市首相としては、公明党が連立を離脱した際に連立を組んでくれた維新に対して恩義を感じているといいます。そのため、維新が今国会で成立させたいという2つの法案について、官邸としては「会期を延長してでも今国会で成立」という姿勢を崩していません。
■政府与党内で会期末に向け「小幅延長」案が浮上

法案審議の行方によっては、国会の会期延長も視野に入ります。今開かれている特別国会は、2回延長できます。国会が正常化する見通しとなったことを受け、政府与党内では、ひとまずは会期末の今月17日までに政府提出法案、いわゆる閣法を成立させたい考えです。
ある政権幹部は、「まずは今月末まで小幅延長をして、政府提出法案を成立させる案が浮上している」と話します。政府与党としては、今月末までにできる限り多くの法案を成立させ、それでも成立できない法案があった場合は、2段階目の延長をすると考えているとみられます。
定数削減と副首都の法案まで成立させるには、さらなる延長が必要となるとの見方があります。ただ、国会を長期間延長すると内閣改造や党役員人事の時期が難しくなるなどの課題も指摘されています。
国民からすると、今の国会で何が起こっているのかわかりにくい状況が続いています。なぜその対応をとるのか、政府・与党も野党も国民に伝わるようにわかりやすい説明が求められます。【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。 寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)

