木

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中国・陝西省西安市長安区の麦畑に立つフォトスポットの「一本木」を切った村民の女性が、騒動について語った。

この一本木は「孤独の木」と呼ばれ、麦畑が広がる中で1本だけ立っている珍しい光景から、多くの人が写真撮影に来るフォトスポットになっていた。しかし、この木をきれいに撮影するためには北側から撮影する必要があり、その場所が梁(リアン)さん一家の麦畑だった。

木が有名になるにつれ大勢の観光客が撮影に訪れ、梁さんの麦畑を踏み荒らすように。そして、麦畑の中には観光客によって踏み固められた1本の「道」ができてしまうこととなった。梁さんは人々が踏み固めた小道への進入を防ごうと囲いを設置したが、その日の午後にはすでに観光客らに撤去されていた。現場にいた若い女性を注意すると、その女性は「ここは道でしょ」と反論したという。

梁さんは「畑を見た時、本当に悲しくて腹が立った」といい、村の委員会に被害を訴えたが、「居住区から離れているので人を常駐させて監視するのは難しい」と言われた。梁さんは一晩考えた末に、木の樹冠(枝や葉が茂っている部分)を切ろうと決めた。

5月26日の早朝、梁さんは斧とはしごを持って畑へ向かった。木に登って麦畑を見渡すと、大勢の観光客に踏み荒らされて見る影もなかった。当初は1人分ほどだった「道」の幅は2人分に広がり、その長さは25メートルほどになっていた。畑の中にはこのほかにも6〜7本の「小道」ができていた。4〜5人が横並びに歩いたような幅の広いものもあったという。梁さんは斧を振り上げ、力を込めて木に向かって振り下ろした。

西安市の別の場所に住む梁さんの夫や子どもたちは、梁さんの行動に賛成しなかった。「この木には価値があるし、映画の撮影にも使えるものだった」と言ったという。しかし、梁さんは「じゃあ私の麦畑が踏み荒らされたことについて、どうして誰も補償すると言ってくれないの?」と反論した。

木を切ってから4〜5日は、逆に物珍しさから現地を訪れる人が増えた。SNS上では「切れば切るほど有名になる」などと揶揄する声も上がったが、梁さんの行動を支持する人も少なくなかった。無秩序な「聖地巡礼」や写真撮影が、農家の人の生活を妨げているとの意見だ。

梁さんは「私は自分の作物を守らないといけない。私たちは農作物で生計を立てているのだから。(樹冠だけを切り落としたのは)葉がなくなれば観光客も来なくなるし、そのうちまた木が成長すれば、人が木陰で涼むこともできると考えたから」と話した。関係者によると、この木は村の共有財産になっているが、梁さんの麦畑が深刻な被害を受けていたことを考慮し、村の委員会は梁さんの責任を追及しないことを決めた。

今週、麦の収穫が終わり、畑は刈り取られて何もない状態になった。それに伴い、写真撮影に訪れる観光客も減り、梁さんの生活もようやく平穏を取り戻しつつあるという。(翻訳・編集/北田)