ケアマネの言いなりで「89歳父親の最期」が悲惨なものに…「悪いケアマネ」の見分け方

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月2回、20分しか面会できない

「それまで泣き言ひとつこぼしたことのない親父が、私たちが面会から帰るときにポツンと『寂しい、家に帰りたい』と漏らした。結局、これが生前の親父と交わした最後の言葉になってしまいました。

親父が最後にいたのは療養型病院でしたが、そこの先生は退院してもいいと言っていたんです。しかし、ケアマネに、自宅介護は無理だから入院したままのほうがいいと強硬に主張されました。いま思えば、ケアマネの言いなりにならずに、一時的にでも自宅に戻してあげればよかった」

こう話すのは昨年、89歳の父親を亡くした50歳男性だ。母親がまだ健在だったこともあり、とくに介護の準備をしてこなかったが、一昨年に父親が突然立てなくなり、介護生活が始まった。地域の包括支援センターに紹介されたケアマネジャーの作成するケアプランに従っていたが、父親の最期を不本意なものにしてしまったと後悔している。

「まずケアマネが紹介してくれた介護老人保健施設に親父を入所させましたが、ここは月に2回それぞれ20分しか面会できず、辛い思いをさせました。他の施設はないのかと聞いても、いま空きがあるのはそこだけだからすぐ決めてくださいと押し切られた。

その後、誤嚥性肺炎を患い、病院に移りましたが、在宅介護に切り替えようとしても、24時間対応ができないし、対応しようとすると莫大なおカネがかかるので難しい、と。ケアマネも人間的には悪い人ではなかったのですが、これらの対応にはいまでも疑問が残っています」(同前)

「悪いケアマネ」の特徴

介護が必要になった際に、利用者にどんな介護サービスが必要かを整理し、方針を立ててくれる専門家がケアマネジャーだ。地域包括支援センターや介護施設に介護の相談をした際に、紹介されることが多い。ただし、漫然と人選を委ねるとこの男性のように「心無いケアマネ」を紹介されてしまうこともある。

在宅介護エキスパート協会代表の渋澤和世氏が「悪いケアマネ」の特徴を分析する。

「まず専門用語を乱発する人です。介護保険制度は複雑なので、初めての人には分かりづらい。たとえば、通所型のサービスを提供する施設でも、デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリ)があります。デイサービスは食事や入浴などの『日常生活支援』が中心で、デイケアは理学療法士らによる『機能回復リハビリ』が中心と、目的が大きく異なります。それなのに、『デイサービスとデイケアのどちらが希望ですか』と説明なしに尋ねてくる人は、いいケアマネとは言えません。

あとは『できません』『難しい』とすぐ言う人。急な入院や転倒など、介護は想定外のことが起こるので、柔軟に考えられない人もいいケアマネとは言えません。本当にいいケアマネは、『制度上は難しいけれど、こういう方法なら希望に近づけるかもしれません』と代案を出してくれます」

【後編を読む「お嫁さんなんだからもう少し頑張れませんか」家族を「無料の介護労働力」として扱うケアマネに対抗する手段

週刊現代」2026年6月8日号より

【つづきを読む】「お嫁さんなんだからもう少し頑張れませんか」家族を「無料の介護労働力」として扱うケアマネに対抗する手段