「1年じゃ死んじゃうよ」食料品の消費税ゼロ%?1%?…先行き見えない議論 今後の見通しは?テレ朝与党キャップが解説

高市早苗総理がこだわる「食料品の消費税ゼロ%」案。なかなか実現の道筋が見えないこの消費税問題について、街の人はどう見ているのか。
ニュース番組『わたしとニュース』では、エコノミストの崔真淑氏の試算を交えつつ、テレビ朝日政治部の澤井尚子与党キャップと漫画家の瀧波ユカリ氏とともにこの問題について深掘りした。
■「生きているうちに…」切実な街の声と減税による恩恵の差

食品の消費減税をめぐるレジ改修は「消費税1%」なら約半年、「消費税ゼロ%」なら約1年かかると言われているが…。街の人からは次のような切実な声が聞かれた。
「半年で1%でも大丈夫なので、少しでも早く動いていただければ」(20代女性)
「1年じゃ長いよね」「死んじゃうよ」「私たち亡くなっちゃうわ。さようならだ」「生きているうちに(やってほしい)」「(1%でもいいから下がってくれた方が)助かる。でも果たしてそれもやるかどうか」(80代女性)
食料品の消費税を「ゼロ%」にするか「1%」にするかで、家計への恩恵はどれくらい違うのだろうか。崔氏は次のように試算する(※消費税は総世帯平均で試算)。
「食料品の税率を1%にした場合、可処分所得の押し上げ、大体月3000円〜4000円弱ほどあるのではないかと試算している。ゼロ%の場合、大体4500円ぐらいではないかと。そのため食料品の消費税を1%にしてもゼロ%にしてもそれほど大きくないと」(崔氏、以下同)
さらに、食料品の消費税引き下げについては、費用対効果が低いのではと指摘する。
「一番のネックは、これ(食料品の消費減税)が日本の財政・経済がまだ元気だった時代だったら行えたかもしれないが、今とにかく財政を効率的に回すことが非常に求められている。(税率の変更に対応するための)民間企業のコスト・政府のコスト、あらゆるコストがトータルで膨れ上がりやすく、市場からも信頼されにくい」
「今回の石油価格の上昇や食料品の価格の上昇によって影響を受けやすいのは、所得が相対的に高くない方々。そういった方々に一律の現金給付であるとか、それの方が政府の支援の分配の効率性は増すのではないか」
消費税ゼロ%と1%、国民はどちらを望んでいるのか。最新のANNの世論調査では、「ゼロ%にするとレジ改修に約1年かかる。食料品の消費減税をどうするべき?」という質問に対し、「時間がかかってもゼロ%にする」が26%、「時間を短縮できる1%にする」が40%という結果が出ている。
道筋が見えない消費減税の“議論の現在地”について、瀧波氏は…。
「消費減税をする・しないについては、私もどっちがいいかをすぐには言えないが、やるんだったらゼロ%でも1%でもいいから早くしてほしい。議論が『まだここ?』という感じ」
レジ改修の時間が短縮できるとして浮上した「消費税1%」案。澤井氏は、今や、与野党の議員の間で、当初とは受け止めが変わったと話す。
「最初この1%論が出てきた時に、割とトリッキーな案として、レジ改修のために1%であれば3カ月から半年くらいでできると。普通にゼロ%にするとエラーが起きる可能性もあるし、改修に1年ぐらいかかるということで、1%っていうのが出てきたんですけども、今やちょっともう主流派というか、1%論っていう感じになってきてまして。いち早くできるなら1%でいいんじゃないかという感じで今なってますかね。ただ、そもそも野党は食料品に限った消費税ゼロ%というのに割と否定的な党が多いので、与野党の協議はまとまらないかもしれない」(澤井氏、以下同)
■「日本として恥ずかしい」レジ改修めぐる高市総理の発言 「消費税ゼロ%」の行方は?
レジの改修に時間がかかる問題では、高市総理の次の発言に波紋が広がったが。
「私は消費税は必要な税だと考えております。仕組みそのものに問題があるかと言えば、そうではないと思っております。ただ、そのシステムの問題はちょっと日本として恥ずかしいですね。例えば、感染症が起こる、何か大きな災害が起きた時に、税率すら柔軟に変えられないレジシステムだということは情けないですから。この期に、様々な税率に柔軟に変更できるシステム開発を急いでいただきたいと考えております」(高市総理・参院決算委)
この発言については、先日行われた党首討論でも「民間の人にとってちょっと厳しい発言」などと野党が追及。こうした中、高市総理は食料品の消費税ゼロ%について「アズ・スーン・アズポッシブル(なるべく早く)」と述べたものの、これまでこだわってきた今年度中の実施については明言しなかった。本音では厳しいと思い始めているのだろうか。肝心の「食料品の消費減税をいつ始めるつもりなのか」について、澤井氏は…。
「基本的には6月に取りまとめを行い、秋に法案を成立させたとしても、通常は周知期間が必要なため、実際に下げる場合には1年ほどかかる。そのため、正直なところ年度内は少し厳しいのではないかと思う。早ければ、来年の4月頃になるのではないか」(澤井氏、以下同)
とはいえ、「食料品の消費税ゼロ」をめぐっては、レジの改修以外にも様々な課題がある。例えば、消費税を1%にしたとしても、外食産業との差が大きくなるのではないかという懸念だ。この点について政府はどう考えているのか。
「与党内からも『外食産業も含めてしまえばいいのではないか』という意見は出ている。ただそうなると、年間4.6兆円かかると言われているが、さらに財源が必要になる。その財源があるかというとなかなか難しい」
様々な課題が残る中、6月中の中間取りまとめに向けて、果たして着地点を見出すことはできるのだろうか。国民会議の議論の現状について、澤井氏はこう明かす。
「実は、現時点での議論の中心は消費税ではなく『給付付き税額控除』。そちらに関しては、まずは減税を脇に置き、給付に一本化しようという議論が進んでいる。そのため、消費税については現時点でオーソライズ(承認)されるような状況では全くない。したがって与野党間で“両論併記”の形にして親会議へ上げ、最終的には総理の裁定に委ねられるのではないかと考えている」
“両論併記”の形で取りまとめが出た後、政府で案を作り、秋の臨時国会に法案を提出して成立させる流れになるという。改めて、消費税引き下げの時期については…。
「通常、周知期間は1年だが、高市総理が早く始めたいということなので、年度内は難しいにしても、来年の4月頃から引き下げるのはあり得ると思う」
(『わたしとニュース』より)
