記事のポイント
Amazonは2025年のプライムデーを4日間に延長し、史上最長のセールにする方針を固めた。
競合のセール攻勢が続くなか、出品者に多様なプロモーション施策を認め差別化を図る。
プライム会員は増加を続け、プライムデーはEコマースにおける注目のイベントであり続けている。


Amazonが集客力抜群の夏のセールイベントの期間を今年は4日間に延長し、同社史上最長のプライムデーを開催することが、Modern Retailが入手したサードパーティの出品者宛の内部メモにより判明した。

「2025年、我々は2日間では不十分だという結論に至った」と、Amazonサービスチームからのメッセージには書かれている。受け取ったのはAmazonに出店する独立系の出品者で、同事業者の売上の60%をAmazonが占める。正確な開催期間は明かされていないが、昨年のプライムデーは7月16日と17日だった。

この決定は、2024年のAmazonプライムデーが過去最高の売上を記録したことを受けてのものだ。アドビアナリティクス(Adobe Analytics)によれば、昨年の48時間のセール期間中、米国の消費者は142億ドル(約2兆1300億円)を支出した。Amazonは昨年のプライムデーを、当時のプレスリリースで「過去最大のプライムデー」と評している。

期間延長により「より多くの顧客がより長い時間を買い物に費やし、数百万点のセール商品を発見する」と、情報源のメモには書かれている。しかし、期間延長は夏のセールシーズンの競争激化に対応した戦略的判断でもある。ウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)などの小売大手に加え、新興のテム(Temu)なども、プライムデーの消費の活性化に便乗すべく、同時期に夏のセールイベントを開催するようになったため、事実上1カ月にわたるノンストップのセール攻勢が続くのだ。

今年のプライムデー期間中、出品者はさまざまな限定プロモーションを提供できる。「ベストディール」、「数量限定タイムセール」「プライム会員限定クーポン」「ディスカウント価格」といったもので、それぞれに最低割引率が定められている。40%以上の割引の場合、Amazonのサイト各所で露出を高めることができ、顧客への可視性がアップされることが、メモのなかで説明されている。

なお、この件についてAmazonからのコメントは得られなかった。

プライムデー人気の高まり



2015年に開始されたプライムデーは、当初は年会費139ドル(約2万850円、現在の日本での年会費は5900円)のAmazonのメンバーシッププログラムの有料会員増加を狙ったものだった。プライム会員は即日配送や限定割引といった特典を得られる。人気沸騰を受けて、Amazonは夏のプライムデー期間を2日間に延長した。さらに2022年以降は10月にも「プライム感謝祭」を開催するようになり、買い物への熱狂の期間は長くなった。

今年のプライムデー期間延長からは、小売業界の激しい競争のなかで再び注目を奪い返そうという、Amazonの意図が読み取れる。プライムデーは依然としてEコマースを牽引しているものの、競合他社は期間を重複させたセールを実施することで競争力をつけ、Amazonから注目と支出を奪いつつある。開催期間を4日間とすることで、Amazonの出品者はノイズをかき分けるチャンスをつかみ、売上を伸ばす可能性がある。

調査会社のコンシューマーインテリジェンス・リサーチパートナーズ(Consumer Intelligence Research Partners)によれば、米国のプライム会員は2024年9月の時点で約1億8900万人で、前年から9%増加しており、同社が2013年にプライム会員の人数を記録しはじめて以来、最大の推定値となった。

[原文:Amazon is making Prime Day a four-day event in 2025]

Allison Smith(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:戸田美子)
Image: ChatGPT (DALL·E)