2024年のマーケティングおよびメディア業界は、テクノロジーや市場環境の急速な変化を受け、これまでの慣習や枠組みに頼らない柔軟なアプローチが求められるようになった。7月に発表されたChromeにおけるサードパーティCookie廃止の撤回をはじめ、AI活用が実践フェーズに突入したことでデータドリブンな戦略がさらに重要視されるなど、手法が大きな転換期を迎えたことは明らかだ。こうしたなか、Digiday Japan恒例の年末年始企画「IN/OUT 2025」では、当メディアとゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブにアンケートを実施。2024年をどのように総括し、2025年に向けてどのような挑戦と成長のビジョンを描いているのか、その想いに迫った。株式会社講談社で、ライツ・メディアビジネス本部 局次長 兼 メディアプラットフォーム部長を務める長崎亘宏氏の回答は以下のとおりだ。

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――2024年のもっとも大きなトピック・成果は何ですか。

当社は、メディアビジネス部門の再編を行いましたが、そこで新たに設立されたのが「メディアプラットフォーム部」です。その主なミッションは、?自社プラットフォーム開発とマネタイズ(C-station、OTAKADなど)、?他社プラットフォームによるマネタイズ(CDP、広告配信プラットフォームなど)となっております。そして、ビジネス領域としては、?ライツ・メディア共通の営業開拓(インサイドセールス)、?全社共通の運用型デジタル広告販売(トレーディングデスク)をカバーしております。前提としてデータ基点でのビジネス拡張を目指す試みで、営業のフロンラインとバックヤードを兼ねていることから、いわば「二刀流」のビジネス貢献が求められたわけですが、おかげさまでいずれも目標を達成することができました。

――2025年に向けて見えてきた課題は何ですか。

広告ビジネスにおいては「アテンションエコノミー」の限界を感じております。ビデオリサーチのACR/ex調査によると、10年前と比べ「広告はよく見る方」「広告は買い物をする際に役立つ」「興味のある商品の広告はきちんと見る」のスコアが、いずれも大きく下がっています。また、大手広告会社による発表では、マス4媒体+インターネット+OOHの6媒体へ10億円を投資して得られる広告認知率が、10年前は8割強、今は6割を切るという分析結果もありました。それらが指し示すものは何でしょうか? 生活者の価値観やライフスタイルの変化によるコミュニケーション効率の悪化だと理由づけて、さらにインパクトや注目度を高める施策を投じるという悪循環にあるのではないでしょうか?全ての広告の送り手は「受容性が高い広告とは何か?」を考え、より価値の高いユーザー体験を提供しなくてはならないタイミングを迎えています。

――2025年にチャレンジしたいことを教えてください。

引き続き、コンテンツ型広告の市場化を推進したいと考えております。メディアの信頼性をベースに、クリエイターとテクノロジーの融合を進め、良質なコンテンツを量産できる環境づくりが必要です。とくにデジタル広告領域においてはコンテンツの質的改善が必要で、私はそれを「料理」と同じだと捉えています。単に空腹を満たすだけではなく、口福を感じるかどうかが重要です。では、その質とは何か? ログ解析を流通に必要な成分表示だとしたら、ユーザーとの対話、「美味しい」という声をいかに把握するかが重要になります。当社としてもアワードやカンファレンスを通じた提言をして参りますし、メディア横断の調査などの取り組みにも積極的に参加してまいりたいと思います。

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