ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はJavaScriptで制御されている

by NASA's James Webb Space Telescope
2021年12月に打ち上げられ、2022年7月から運用が開始されたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の制御はJavaScriptで行われていると、IT系ニュースサイトのThe Vergeが報じています。
Status of the James Webb Space Telescope Integrated Science Instrument Module System
JavaScript had a hand in delivering James Webb Space Telescope’s images - The Verge
https://www.theverge.com/2022/8/18/23206110/james-webb-space-telescope-javascript-jwst-instrument-control
NASAが公開しているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のIntegrated Science Instrument Module(統合科学計器モジュール、ISIM)のマニュアルによれば、ISIMのソフトウェアは「スクリプト・プロセッサ・タスク(SP)」によって制御されており、コマンドを受けてJavaScriptで書かれたスクリプトを実行するとのこと。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡には特定のタスクを実行するための事前に作成されたスクリプトが多数あり、地球にいる科学者はこのスクリプトを通じてジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に指示を送ることができるとのこと。この送られた指示はJavaScriptで記述されており、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に内蔵されているスクリプト・プロセッサによって解釈されるという仕組みだそうです。NASAはISIMのプロセスを制御するスクリプトを「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の心臓部」と呼んでいます。

NASAによると、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に組み込まれているスクリプトの一部には、Nombas ScriptEase 5.00eという言語が用いられています。このNombas ScriptEaseはJavaScriptの元祖に当たるもので、最終アップデートは2003年1月というかなり古い言語システムです。The Vergeは「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡というこれほど重要で、言うまでもなく高価な科学機器が、非常に古いバージョンの技術で制御されているのは不思議に思えます」と述べています。
そもそもジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げは2021年末でしたが、設計プロジェクトは1989年に始まっています。望遠鏡の建設が始まった2004年でも、Nombas ScriptEase 5.00eは比較的新しい技術だったため、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡にも使用されています。
ISIMのマニュアル自体は2011年に書かれており、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のスクリプトシステム設計についての論文は2006年に発表されています。こうしたプロジェクトは何十年もかけて進められるので、プロジェクト開始時は最新だった技術も、完成する頃には時代遅れになってしまうことは往々にしてあるそうです。
なぜJavaScriptが選ばれたのかについて、NASAは「望遠鏡の操作に関する可視性、制御性、柔軟性が向上し、観測装置の操作の影響や微妙な点を学習しながら簡単にスクリプトを編集できるから」と説明しています。もしスクリプトに変更を加える場合は、地上で何度もテストを行った上で、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に送信すればOK。修正が簡単でエラーが起きにくいというのが大きな利点になっているそうです。

by NASA's James Webb Space Telescope
なお、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に搭載されているSSDの容量は68GBだそうで、2008年に発売された初代MacBook AirのSSDとほぼ同じ容量となっています。
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