国際天文学連合の公式サイトより

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(台北中央社)太陽系外の惑星を世界の国や地域に割り当て、名前を決定してもらう国際天文学連合(IAU)のキャンペーンで、台湾からの提案がこのほど認められた。だが同連合の公式サイトでは、台湾の「国名」が「China Taipei」と表記されている。これは中国と行った過去の協議の結果に基づくものだという。

同連合の創設100周年を記念し、昨年実施された同イベント。太陽系外惑星と恒星を1組とし、各国や地域に命名する機会が与えられた。台湾に割り当てられたのは、しし座の方向にある惑星「HD100655b」と、その中心にある恒星「HD100655」で、それぞれ「水沙連(Sazum)」「麗(Formosa)」と命名。水沙連は中部にある台湾原住民(先住民)サオ族の伝統的な生活エリアの地名で、Formosaは台湾の古来からの呼び名。

いずれも台湾とゆかりのある名前が付けられたものの、公式サイトでは台湾について「China Taipei」とされていることについて、中央研究院天文および天文物理研究所の朱有花所長は、中華民国が先に同連合に加盟していたが、その後中華人民共和国に取って代わられたことを指摘。1959年に台湾が改めて加わると、名称を巡り中国と意見が対立し、協議の結果、1979年に台湾を「China Taipei」とし、中国は「China Nanjin」とすることと決定した経緯があると説明した。

(呉欣紜/編集:楊千慧)