【世界ハンド】熊本地震から世界大会開催へ 会場で輝く“61枚の歩み”「復興する姿を発信したい」
女子ハンドボール世界選手権、会場に地震直後から現在までの写真61枚を展示
日本初開催の女子ハンドボール世界選手権に出場している世界ランク13位の日本代表「おりひめJAPAN」は6日、D組の1次リーグ最終戦(パークドーム熊本)で同20位の中国に勝利し、3勝2敗で2次リーグに進出する。連日激闘が繰り広げられる中、会場には熊本地震からの復興を世界にアピールする写真が展示されていた。
2016年4月14日午後9時26分。熊本を震度7の揺れが襲った。16日未明にも本震が発生。14日の前震で震度7を観測した益城町に近い熊本市東区のパークドーム熊本も被害を受けた。ドーム内に設置された畳1枚ほどの大きさをしたグラスウール製の吸音板が多数落下。再開するまでに約1年を要したという。
写真パネルの展示を管轄する熊本国際スポーツ大会推進事務局の吉開裕氏は、今大会の会場に展示した意図を明かした。
「女子の世界選手権の主旨の一つは、地震から復興する姿を世界に発信したいということです。(大会開催について)震災当時は『大丈夫か』という声もありました。住む場所を失った方もいる。そういう方々がいる中でやるのかという声もゼロではなかったです。お気持ちも考えた上で、徐々に状況を視野に入れて県民一丸となってやってきました」
連日数千人規模の子供たちが観戦、吉開氏「一生で一回かもしれません」
今大会、県内の小中高校などが特定の国を応援する「一校一国運動」が行われている。出場国のことを生徒が調べ、国際的な知識などを身に付けながら大会を盛り上げてもらうのが狙いだ。連日昼の試合には数千人規模の子供たちが国旗を振るなど、日本以外の国も応援して声をからした。
6日の日本―中国戦には17校の小中高生約5000人が集結。一般客と合わせ、計8310人の大声援が選手たちを後押しした。吉開氏は「世界最高水準のプレーを地元で見られる。それは一生で一回かもしれません。もしかすれば、自己啓発のきっかけになるかもしれない。この機会を血や肉にしてほしい」と願った。
震災直後の様子から時系列で並べられた61枚の写真。ラグビー日本代表選手がボランティアに訪れ、町の人たちと交流した際の1枚もある。今年10月6日のラグビーW杯、フランス―トンガ戦で選手たちのプレーする写真もあった。
わずか3年半前には想像できなかった景色。今では、ハンドボールの盛んな火の国が熱く盛り上がっている。まだ復興が終わったとは言い切れないのかもしれない。それでも、熊本が歩んだ歴史がある。最終盤の写真には子供たちの無邪気な笑顔が輝いていた。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)
