どんな新型車でオッケー!マツダの生産ラインが“柔軟体操”
自動車業界で“スモールプレーヤー”と自認するマツダが大手に対抗するため、磨いてきたのが混流生産といった柔軟なモノづくり力だ。例えば「計画順序生産」。複数車種を1台単位で生産する順番を決め、工場で実際にその通りに作り、部品メーカーも順番通りに部品を生産納入するという方式だ。規模が小さいからこそできる生産効率化である。
FMLは主に3つの構想で構成される。車種ごとに位置決めや接合時の変化などをコンピューター利用解析(CAE)で解析し、最適な「治具モジュール」として対応できるようにする。セル生産を生かした「汎用セルモジュール」で設備は固定しつつ、ロボットのプログラムを工夫するなど加工量の差はセルの数で対応する。「工程モジュール」はこうした生産体制を生かし、将来的に想定以上の車両構造などの進化があった場合に備える構想だ。
向井武司常務執行役員は「将来、今の工程に入らない要求があっても、現在の工程をくずさないまま新工程の追加ができる」と話す。新車が入る度に治具だけを切り替えれば、一からラインを作り替える必要もなく、投資を削減でき、リードタイムの短縮にもつながる。すでに新車導入時の投資コストが従来比で半減するなど成果も見られる。
柔軟な生産ラインの構想は、「スイング生産」という国内外を含めた拠点間での需要に応じた生産も可能とする。例えば、同じ拠点で乗用車とSUVといった異なる車種の生産比率を調整する「縦スイング」や、国内外で同じ車種の生産台数を柔軟に変える「横スイング」といった取り組みだ。対応にも大きな工事などが必要なく、大幅なコスト削減などにつながる。
FMLは国内外の工場にも順次展開していく。21年に稼働予定のトヨタ自動車と米国アラバマ州の合弁新工場でも導入する考えだ。CX―30を皮切りに20年には初の量産電気自動車(EV)「MX―30」を発売するなど次世代車投入も進めるマツダ。車両の進化にも低コストかつ柔軟に対応できることが事業成長に欠かせない。
(取材・山岸渉)
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