ユーザーが「応援したい!」と思えるMVNOへ! mineoが目指すMVNOの姿を「ファンの集い」に見た

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●ユーザーに寄り添い、ユーザーとの距離が近い! 特異なMVNO「mineo」
オプテージの仮想移動体通信事業者(MVNO)サービス「mineo」は6月22日、都内にてユーザーイベント「第4回mineoファンの集い」を開催しました。
同イベントには約100名のmineoユーザーが招待され、
・mineoの共創戦略についての説明
・mineoクイズ大会
・リアルアイデアファーム
・リアルQ&A
・リアル掲示板
これらの催しが行われました。

リアルアイデアファームやリアルQ&Aなどは、mineoが運営する公式ファンサイト「マイネ王」のコンテンツを現実のイベントとして行うことから付いた名称です。

イベントでは「マイネ王」運営スタッフのほか、オプテージ経営本部 モバイル事業戦略部長を務める上田晃穂氏も直接ユーザーと意見を交わしていました。

「事業者」と「ユーザー」、この2つの距離が非常に近い。
これがmineoの最大の特徴です。


ユーザーと席を並べ交流を深める上田晃穂氏(※写真中央、緑の上着)


mineoの契約件数は、2019年5月時点で約115万を達成。
MVNO市場では、現在、第5位となるユーザー数まで成長しています。

マイネ王は任意での利用となるファンサイトですが、その会員数は現在約52万人。
マイネ王もmineo同様に、非常に大きなコミュニティにまで成長しました。

mineoはブランドステートメントとして、「Fun with Fans!」を掲げています。
事業開始当初より、ユーザーの声を拾い上げて運営に役立てることへ注力してきました、

こうしたユーザーフレンドリーなアプローチの理由は、
熾烈なMVNO業界でのシェア争いがあります。

日本におけるMVNOサービスは現在1000を超えており、
単なる通信料金の安さだけでは生き残れないほど、競争が激化しています。

そこでmineoでは料金以外の魅力として
「ユーザーが望むMVNOを作り上げる」
このポリシーを最大の目的に据えました。

mineoは、ユーザーをファンに変え、ファンと一丸となって事業を成長させていくMVNOを創り上げたのです。


マイネ王運営スタッフもハンドルネームとともに自己紹介



●シンプルに、正直に、誠実に
ユーザーとの近さは、イベント冒頭からすぐに感じられました。
開会の挨拶を行った上田晃穂氏は、7月に人事異動となることを伝える際に

「女性問題で不祥事を……なんてのは冗談ですが」

と笑いを取ると、その後も笑いの絶えないトークを連発。
関西系企業らしい明るいノリで、若干緊張していたユーザーを瞬く間にアイスブレイクしていきます。


関西人独特の軽快なトークで笑いを誘う上田晃穂氏


一方で、ブランドステートメントや新たに策定した「mineo way」の説明では、うって変わって真摯な面持ちで解説。
このあたりも距離間の近さを感じさせます。

mineo wayとは、以下の3つの行動指針を指したものです。
・シンプルに正直に、みんなに誠実であろう
・共有して、共感して、仲間と一緒に創っていこう
・前例のない未来へ、自ら挑戦しよう

これらの行動指針が策定された背景には、昨年4月に起きた炎上事件があります。
当時mineoは、通信トラフィックの混雑を緩和するための施策として、
通信の一部を圧縮して送信する方式を導入しました。

しかしその導入についてユーザーへ事前説明がなく、
「突然画像が荒くなった」
「一部アプリで特定の時間に通信ができなくなった」

こういったユーザーからの報告によって発覚した経緯から、
「なぜ事前の説明がなかったのか」
「不誠実だ」
「ユーザーファーストとは何だったのか」
このようなユーザーコメントがマイネ王の掲示板などで投稿され、強く批判されたのです。

同サービスはこれを重く受け止め、その後に圧縮送信の可否をユーザーが選べるようにする対策を行うとともに打ち出したのが「mineo way」だったのです。


mineo wayは、苦い失敗を教訓として生み出された再出発の証でもある



●ユーザーの善意がサービスを支え、人々をつないでいく
mineoのサービスの多くが、ユーザーの善意によって支えられています。
この点がわかる事例も多数紹介されました。

ユーザー同士で通信パケットを分け合える「フリータンク」は、mineoサービスの象徴とも言えるシステムです。

2018年は数多くの自然災害が日本列島を襲いましたが、
そのたびにフリータンクを利用した通信支援サービス「災害支援タンク」を開放してきました。

災害支援タンクは、被災者の人々が安否確認などで通信が行えるように、
通信パケットをユーザー同士で融通し合うというものです。

このとき人々が、
「私のパケットを使って下さい」
「被災者の皆さん頑張って」
このようなメッセージを残しながら、それぞれの契約の中から少しずつ通信容量を分け合った結果、
災害支援タンクの開放前よりも開放後のほうが、パケットの貯蓄容量が増えたのです。

通常であれば、貯蓄量(提供量)よりも使用量のほうが多くなると思われる中、
災害支援タンクの残容量が運営の予想に反して増えました。

このことについて上田晃穂氏は、
「人の善意が集まった証拠」と、語っています。

mineoのサービスが、ユーザー同士の助け合いによって支えられていることを示した好例と言えるでしょう。


誰かが困っていたら助け合う。当たり前の互助精神だが、それを実現できる通信キャリアは少ない



2019年3月には応援パケットによる仙台市の復興支援なども行われた



●mineoユーザーのための、マニアックなmineoクイズ大会
イベント後半のクイズ大会では、mineoに関するマニアックな問題が次々と登場。

・2018年12月にリリースしたmineo体験サービスの名称は?
・mineoショップのある都道府県は?
といった、サービスに関する一般的な問題から、

・2019年3月にmineo特集が組まれた雑誌名は?
・2019年2月の発表会で上田晃穂氏が着けていたネクタイの色は?

こういった、相当なファンでなければ分からないようなマニアックな問題まで、多数出題されました。
正解者には多くのノベルティが賞品として贈呈されましたが、参加者のほとんどが全問正解されていたあたりは、さすがmineoファンといったところです。


ちなみに上田晃穂氏が着けていたネクタイの色は、mineoカラーである緑だった



クイズは4択式。ちょっと面白い選択肢もあり会場は大いに盛り上がった



●アンバサダー制度を持つmineoらしい交流のあり方
mineoは昨年、マイネ王に会員登録しているユーザーに対して、
サポートスタッフとしてmineoの運営に参加してもらう「アンバサダー制度」を開始しました。

アンバサダーには、
・共創アンバサダー……新サービスの考案や実現の支援サービス
・サポートアンバサダー……ビデオチャットによるユーザーサポートサービス
・紹介アンバサダー……全てのmineoユーザーを対象とした紹介サービス
これらの3つが設定されています。

とくに運営と密接に関係しているのが
「共創アンバサダー」
「紹介アンバサダー」
この2つです。

これらのアンバサダースタッフに任命されたユーザーには、サポート業務に必要な運営情報が渡されるため、
サービススタート時には情報漏えいなどを不安視する声もありました。

この点について上田晃穂氏は、
「今のところ共創アンバサダー(の業務)で大きなトラブルはない」
このように語る一方で、

「サポートアンバサダーはビデオチャットという性質から時間の拘束があるため、(業務として)ハードルが若干あり難しかった。

サポートアンバサダーは、今後ビデオチャットにこだわらないやり方を、幅広い視点で考えていく必要もあるだろう」
このように、今後の改善点についても検討していることを述べました。


ユーザーを事業運営に直接参加させる、挑戦的な試みのアンバサダー制度


アンバサダー制度が可能である理由には、
・マイネ王を通し、mineoサービスが広くユーザーに開かれている
・事業運営側がユーザーと常に交流を行い、信頼関係を築けている
こういった点が挙げられます。

上田晃穂氏も、
「ファンとして積極的に参加してくれるユーザーの、人となりを知り尽くしていればこそ実現できたサービス」
として、誇るように語っていました。

それを裏付けるように、イベントで行われたアイデアファームのコーナーでは次々と新しいサービス案や改善案が示され、
ユーザーが本気でmineo事業のあるべき姿を考えている様子が伺えました。


ユーザーが率先して事業運営に関わっていく姿は、ほかの通信キャリアではありえない姿だ



●「応援したいと思うMVNO」を目指して
冒頭にも書いたように、現在のMVNO市場は熾烈な顧客獲得競争の只中にあります。
移動体通信事業者(MNO)サービスも含めた携帯電話関連市場の総契約件数は約1兆8000億であり、その9割がMNOによる契約です。
そして残りの1割の、さらに9%程度がmineoのシェアということになります。

業界全体では1%にも満たない規模かも知れませんが、
その事業が行っている内容は業界でも唯一無二で、新しいチャレンジの連続でもあります。

ともすればユーザー同士のトラブルや、運営情報の漏えいなど、危険が伴うサービスを次々と成功させているのは、
ひとえに「ユーザーとの絆」を実現しているからこそだと言えるでしょう。


ユーザーとの交流にもカテゴリーを作り、それぞれで絆を深めていく


上田晃穂氏は、mineoの事業運営の柱として、
・機能的価値
・情緒的価値
・社会的価値
この3つを示し、

「mineoにしかない価値を感じていただいて、応援したいと思うMVNOへ」
このように語っています。

mineoにしかない価値とは何なのか?
応援したいと思うMVNOとは何なのか?

それを示し続けていく絶え間ない努力の一端を、ファンの集いに見ることができたように思います。


執筆 秋吉 健