来店客は10年で4割減、デジタル技術は銀行の苦境を救うか
「デジタル化のファーストステップとなる」と亀沢宏規三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)執行役専務は意気込む。デジタル技術をふんだんに盛り込んだ次世代店舗「MUFGネクスト」として、学芸大学駅前支店(東京都目黒区)を改装した。自動化・省人化を指向したセルフ型店舗の導入やインターネットバンキングなど非対面チャンネルの強化で、店舗運営の効率化につなげる。
堀直樹MUFG執行役専務は「インターネットとデジタルを融合した新しい銀行体験を提供したい」と力を込める。2023年度までに全国で70―100の次世代店舗を整備する計画。4月には心斎橋支店(大阪市中央区)を2号店としてリニューアルする。
三菱UFJ銀は23年度までに窓口で行員が接客する既存店舗を現状の約500店から半減する方針を掲げる。来店者数が10年で4割減少する一方、ネットバンキングの利用者が5年で4割増えたことが背景にある。次世代店舗は「(顧客の)行動様式の急速な変化を考え、利便性と先進性の高いサービスを提供する」(堀執行役専務)ための橋頭堡(ほ)となる。
超低金利の長期化や人口減少などを受け、店舗改革はメガバンク共通の課題だ。三井住友銀行は19年度までに全430店舗を次世代店舗に転換、みずほ銀行は20年度末までに国内の全拠点で銀行、信託、証券のサービスを一体で提供する。
大量の人員を抱えながら全国に店舗網を構える従来の事業モデルは限界を迎えている。メガバンクの店舗戦略は先端技術を柔軟に取り込みつつ、時代に合わせた最適なインフラの在り方を再定義する時期に差し掛かっている。
(文=長塚崇寛)
