売上高1兆円増は実現するか、NTTデータが新体制で挑む海外戦略
グローバルトッププレーヤーの目標達成には2・5兆―3兆円の売上高が必要で、今後さらに売上高を5000億―1兆円増やさなければならないという高い壁に挑む。堅調な国内市場の深耕に加え、これまで以上に大規模なグローバル展開が求められている。
新体制が最初に取り組む大きな仕事が19年度から21年度までの新中期経営計画の策定だ。すでに新メンバーで策定に着手しているという。
本間社長は「成長のドライバーは、デジタルとグローバルだ。これは一丁目一番地の戦略になる」としており、次期中期経営計画にもこのデジタルとグローバルが核となると予想される。
ここでいうデジタルとは人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ(大量データ)、ロボティクスなどの技術の活用を意味する。
例えば同社はNTTファシリティーズと超高層建物向けにAIを活用することで、従来の制振技術よりも大幅に揺れを低減させるなどの先進的なAI活用に取り組んでいる。NTTデータがこれまで得意としてきたシステム構築技術とデジタル技術を組み合わせ、顧客と連携しながら新たな市場を創出する狙いだ。
特に国内では2020年まではIT需要が堅調だと予想される。IT投資も「守りのIT」から事業に直接貢献する「攻めのIT」へ変化しつつある。これまで圧倒的優位を見せていた公共・社会基盤や金融分野と異なり、NTTデータが苦手としていた法人・エンタープライズ分野のシェア拡大にデジタル技術が期待できる。本間社長も「製造業やサービス・小売り業などの法人分野は元気のいいお客さまが多い。デジタルや攻めのITで大きく支援できる」と意気込む。
大胆なグローバル戦略
NTTデータが成長のドライバーと位置付けるのは「デジタルとグローバル」だ。特に2006年以降、大胆なグローバル戦略にかじを切っている。17年3月期の海外売上高は北米が2463億円、EMEA(欧州、中東、アフリカ)・中南米が3308億円だったのに対し、18年3月期は北米4720億円、EMEA・中南米が4232億円と大幅に増加している。19年3月期をゴールとする中期経営計画では海外売上高比率50%を目標に掲げている。
グローバル戦略をけん引しているのはM&A(合併・買収)戦略だ。95年に米リビアを買収したのを皮切りに、08年はドイツのアイテリジェンスやサークエントを傘下に収めた。10年には米キーン(現NTTデータインク)を約1160億円で子会社化した。最も大きな投資だったのが16年に買収した米デルのITサービス部門(現NTTデータサービシーズ)。約3500億円を投じ、北米事業のさらなる強化に打って出た。もちろんM&A戦略だけではなく、海外事業の掘り起こしも重要であり、本間洋社長は「M&Aと自ら成長していくというビジネスの両方でグローバル戦略を拡大する」としている。
