「アジア発メジャー」狙う大陽日酸、6500億円買収の勝算
大陽日酸にとって、産業ガス世界1位の仏エア・リキードや同2位の独リンデのお膝元である欧州市場は特別だ。プラクスエアやエア・プロダクツなど米国勢を含む“海外メジャー”と鉄鋼や化学などの地元企業との結びつきは強く、そう簡単には手を出せない領域だった。大陽日酸は事業買収によって欧州市場に進出し、アジア発“メジャー”としての存在感を一気に高める。
一方、日本国内では、急速に進んだ製造業各社の海外移転を背景に産業ガス市場は拡大が見込めない。大陽日酸はアジアや米国での合弁設立やM&A(合併・買収)を推し進め、新たな収益の柱に育ててきた。主な対象は空気分離装置(ASU)のような生産設備を構える同業と、これらメーカーや化学工場から各種ガスを仕入れてボンベに充填・供給する地域の販売会社だ。
16年には米エアガスを買収したエア・リキードから米国の一部事業を買収。世界最大の市場規模を持つ北米で、事業規模の拡大を果たした。
