12月1日は何の日だったか覚えてますか? 日本各地でもイベントが開催されたので、お分かりの方もいらっしゃるでしょう。正解は、世界エイズデー。この世界エイズデーとは、エイズ問題への人々の意識を高めることを目的として、国連の世界保健機関(WHO)が昭和63年に制定した国際デーの一つ。

 この12月1日、遠く南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの観光名所となっている塔「オベリスコ」に、ピンクの「巨大コンドーム」がかぶせられ、街行く人や観光客の度肝を抜いた。このシンボルは高さ72メートルあり、世界一広いと言われる「7月9日通り」の真ん中に位置している。大きなモニュメントにどうやってかぶせたのか? というと、ブエノスアイレスの市当局がクレーンを使って装着させたというからかなり大規模なもの。

 「エイズに関して偏見を持たず、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージをする、レッドリボンキャンペーンの一環ではないでしょうか?」(財団法人 エイズ予防財団)

 確かに、ピンク色のコンドームをかぶせたモニュメント、街ゆく人々に「エイズ」についての問題を認識させる役割は十分担っている。

 API-Net(エイズ予防情報ネット)の資料によると、アルゼンチン、ブエノスアイレスで行っているHIVの検査では陽性の反応が年々増え、主な原因は「無防備な異性間性交渉」とも言われている。もっとも日本国内でもHIV感染者は780人、エイズ患者は385人と決して他人事ではない。

 「エイズについて関心を持つだけではなく、HIV抗体検査を行うなどの『行動』があるとうれしいですね。現在は全国の保健所で『無料』『匿名』で受けられます」(同)

 平日は仕事が・・・という人のためにも、今は厚生労働省や全国の自治体が、利便性の高い検査体制を整えるために努力を続け、休日などに検査を行える所も増えてきているとのこと。エイズは実は身近な問題なんですね。遠い異国のこと・・・と思わずに、ぜひ一度保健所に足を運んでみてはいかがでしょうか?(押木真弓/verb)