Kuroda on Yanks' win 

成績から名前を挙げてみよう。そうすれば、誰が現在のニューヨーク・ヤンキースで一番の先発投手なのか、一目瞭然だ。一人は13勝6敗、防御率3.63、WHIP1.199。もう一人は14勝10敗、防御率3.26、WHIP1.119だ。しかしより重要なのは、一人が上り調子なのに対し、もう一人は明らかに下り調子なことだ。そして私たちは、ポストシーズンに向かうに当たって、いくつかの問題を真剣に考える時である。

仮に両方の投手が休養を取り、しっかりと投げる準備ができれば、恐らく一番可能性が高いことだが、ヤンキースはアメリカンリーグ東地区で優勝する。そしてヤンキースは、アメリカンリーグ・ディビジョン・シリーズの第1戦で、誰を先発させるのだろう?C.C.サバシアか、ヒロキ・クロダか?

そんな疑問は、シーズン開幕当初は馬鹿げたものだった。C.Cはよく働くエースだった。そしてヤンキースは、既に結んでいた契約に加え、更に5年間の契約延長を決めた。それは最低でも30百万ドル以上だ。

クロダは、お試し期間のような感じでここにやってきた。1年契約、そしてナショナルリーグから誰とも対戦したことのないアメリカンリーグへ来て、難しい適応が必要だった。

しかしシーズンの144試合を終えた今、その疑問はまったく馬鹿げていないと言う事を、データーは物語っている。

それでも、ヤンキースが6-4で勝利した日曜日の試合後に、私がジョー・ジラルディにその事を話した時、その監督は返事を上手くごまかした。その試合でクロダは、1点も与えないような緊迫した投球で、14勝目を挙げた。

「勘弁してくれよ」ヤンキースメディアの中からクスクス笑いが起こる中、彼は言った。「まだ3週間も残っているんだ。私は火曜日が心配だよ」

もちろん彼は、アンディ・ペティットが戻ってくることで、火曜日を心配しているのではないとの説明を忘れなかった。しかし監督のごまかしを分析するよりも、ヤンキースクラブハウスにいる高額な選手のことなど気にしない君たちに、シンプルな質問を投げかけよう。

もし今現在、ヒロキ・クロダよりも信頼出来るヤンキースの先発投手がいるとすれば、それは誰だろう?

そして5試合のシリーズで、一人の先発投手だけが2回先発できることが判っている中で、その役目を誰に与える?

この2つの質問に対する私の答えは一つ、クロダだ。

それはサバシアが悪かったという事では決してない。しかし、特に短期決戦のシリーズにおいて、現在の彼はチームの頼りになるエースではない。

一方で今日のクロダは6回に、内野席にいる熱狂的なファンとヤンキースの内野手の共同作業がきっかけで、レイズに3点を与えることになったが、それでも まさに、エース級だった。

スティーブ・ピアースは、ベン・ゾブリストのファウルフライを捕れそうだったが、ファンのグローブに邪魔をされて捕球できずに、レイズの攻撃は続いた。打席が続いたことが、次の不運に継った。エヴァン・ロンゴリアが放った打球は、アレックス・ロドリゲスによって、簡単にダブルプレーになるところだったが、代わりにイレギュラーした打球が彼のグローブの遥か上を抜けて、2点タイムリーヒットとなった。これらの二つの不運がなければ、クロダは4回の先頭打者、ゾブリストに打たれたソロホームランによる失点だけだったかもしれない。

よりクロダの能力の高さを物語っているのは、金曜日夜のサバシアが僅か3三振しか奪えなかったのと同じラインアップを相手に、最初の2イニングで6つの三振を奪ったことであり、6イニングで10三振を奪ったことだ。

「今の彼は、マウンド上でとても自信を持っているように見える」ラッセル・マーティンは言った。彼はロスアンゼルスでもクロダの球を受けていた。「シーズン初めは、少し試しているような感じだった。今は相手打者に対して、とても投げやすいように見える。今は打者のことを判っているし、彼らが何をしてくるのかが判っている。一度それを判れば、彼は相手を上手くアウトに取ることができる。彼はいつも、そうしている」

今のヤンキースは、先週と同じような嵐に見舞われている。彼らは地区で1ゲーム差のリードしかなく、次の週末に対戦するオークランドとは3ゲーム差だ。 プレーオフでの成功は、好調な選手にかかっている。

現在マーティンは好調だ。彼は今日、大きなスリーランホームランを打った。A-Rodの打撃も良い。エデュアルド・ニュネスも、打線の穴をうめている。そしてペティットが戻ってくる。

そしてクロダは、調子が悪い時でも安定しているし、調子の良い時は試合を支配する。

ヤンキースは、C.Cのことは賞賛するのに、彼についてのこれらのことは、誰も言わない。

ジラルディは、今日の問題を回避したかもしれないが、遅かれ早かれ、この事に正面から向き合わなくてはならない。

プレーオフの第一試合で、誰にボールを渡すのだろうか?それはヤンキースが、エースとしている投手だろうか?

あるいは、実際に一番の投球をしている男だろうか?


参考記事:Hiroki for Game 1? Who else? By Wallace Matthews | ESPNNewYork.com
http://espn.go.com/blog/new-york/yankees/post/_/id/44598/hiroki-for-game-1