数日のうちに為替相場が大きく動き、ニュースを見て驚いた人は少なくないだろう。長らく続いていた円安の流れが急に反転し、市場関係者の間でも「なぜこのタイミングで」という戸惑いが広がった。
 
実業家のマイキー佐野氏は、この急激な円高の背景に日米の財務当局同士の連携があったと解説する。円は数十年ぶりの安値水準まで下落したあと、わずか数日で156円台まで押し戻された。単なる偶然ではなく、複数の要因が重なった結果だと佐野氏は説明する。中東情勢による原油価格の上昇や財政赤字に加え、日米の金利差を背景にした円売りが積み上がっていたところに、日本側が大規模な資金を投入したとみられる観測が重なり、買い戻しが連鎖したという。同時に日本の金融当局トップが「物価の動向が想定通りなら早期の利上げもありうる」と発言し、米国側でも雇用統計を受けて利下げ観測が強まったことで、日米の金利差縮小という見立てが一気に広がった点も見逃せないと佐野氏は語る。
 
さらに佐野氏が注目するのは、米国側が円高を後押ししたとみられる事情だ。日本が介入資金を確保するために米国債を手放せば、米国内の金利や財政に跳ね返りかねない。加えて、日米間で結ばれた対米投資に関する取り決めや、行き過ぎたドル高が貿易赤字を広げるリスクも絡み合っていたと佐野氏は指摘する。長年続いた低金利を背景に円を借りてドル資産に投じる取引が積み上がっていたことにも触れ、その巻き戻しが一気に進めば市場全体に影響が及びかねなかった。
 
節目を割り込んだ瞬間に自動的な売買が連鎖したテクニカルな側面や、国際機関の基準に基づく追加介入の余地、大手金融機関や外交政策に詳しい専門家による評価など、複数のシグナルが同時に重なったことも佐野氏は丁寧に描き出す。政策・市場・テクニカルという異なる視点が絡み合う今回の値動きについて、佐野氏は今後どこに注目すべきかまで言及している。為替の値動きに関心がある人にとって、表面的なニュースだけでは見えてこない構図が浮かび上がる内容だ。

チャンネル情報

マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営