熊本地震で「インプ稼ぎの偽情報は許されない」熊本県警が異例の投稿…過去2度の震災では逮捕者も
7月28日に発生した熊本地震をめぐるSNS上の偽情報をめぐり、熊本県警察本部犯罪抑止対策室は7月31日、公式X(@kumapp_hanyoku)で、「非常時にインプ稼ぎの偽情報は許されません!」と強い言葉で警告した
2016年熊本地震や2024年能登半島地震でも、犯罪に該当する偽情報を投稿した人を検挙したとして事例を紹介。同じ日には、不確かな情報を拡散しないよう呼びかける投稿もおこなった。
過去の地震では、震災に便乗したデマや虚偽の救助要請が実際に事件化している。近年はその件数も増加傾向にあり、警察は今回の地震でも警戒を強めている。
●過去2つの震災では「逮捕者」も
2016年熊本地震では、直後に「地震のせいでうちの近くの動物園からライオン放たれた」とSNSに投稿したケースがあった。
熊本市動植物園には問い合わせが相次ぎ、園内の安全確認などの業務に支障が生じた。約3カ月後、当時20歳の男性が偽計業務妨害の疑いで逮捕された。災害時のデマ投稿による逮捕は全国で初めてだった。
2024年能登半島地震では、SNS上でうその救助要請が相次ぎ、警察や消防が現場に駆けつけたものの、救助を必要とする人がいないケースが発生した。
このときも、男性が偽計業務妨害の疑いで逮捕されて「震災に便乗して自分の投稿に注目してほしかった」と供述したという。
●白書が示した「熊本」と「能登」の違い
災害時のデマが増えていることは、総務省の「令和6年版情報通信白書」でも指摘されている。
情報通信研究機構(NICT)の分析によると、発災後24時間に投稿された救助要請のうち、デマと推定されたものは、2016年の熊本地震が573件中1件だったのに対し、2024年の能登半島地震は1091件中104件にのぼった。
●「インプ稼ぎ」の代償は小さくない
熊本県警が使った「インプ稼ぎ」とは、投稿の表示回数(インプレッション)を増やして注目を集める行為を指す。Xでは、表示回数に応じて広告収益が分配される仕組みがある。
災害時に軽い気持ちで投稿したデマや虚偽情報でも、警察や消防の活動を妨げれば、偽計業務妨害などの罪に問われる可能性がある。被害を受けた個人や団体から損害賠償を求められる可能性もあり、その代償は決して小さくない。

