「熊本を応援したい」東京・池袋の九州フェアにも支援客続々…出店中の熊本の老舗馬刺し店主は「本当に感謝しています」
7月28日、熊本県で最大震度7を観測した地震をめぐって、県は31日午後3時時点で県内の人的被害が131人にのぼり、35人の死亡を確認したと発表。これまでのところ、住宅被害は全壊179棟、大規模な半壊20棟など、わかっているだけで1507棟にのぼるという。
’16年4月の大地震から10年、再び熊本を襲った悲劇。SNSでは様々な思いを込めたメッセージが広がっているほか、各国の首脳も「心よりお見舞い申し上げます」(韓国・李在明大統領)、「日本国民に心からの連帯を表明する」(フランス・マクロン大統領)など、続々と連帯の意思を表明している。
そんななか、熊本を応援しようと行動に移す人々も大勢いる。29日、東京・銀座にあるアンテナショップ「銀座熊本館」では店外に行列ができるほど客が訪れ、一時は入場規制が敷かれるほどの盛況を博したことが複数のメディアで報じられていた。
また、東京・池袋にある東武百貨店では、九州のグルメ、工芸品が集う「大九州展」(7月29〜8月4日)が開催されている。日本酒や赤牛、馬刺し、鶏のから揚げなど熊本からはるばるやってきた数々の逸品が並ぶが、百貨店の担当者によると、来場者からは「熊本を応援したい」「募金をする場所がないのか」(※募金箱は8月1日から設置)といった反応が次々と寄せられているという。
その催事場の一角で、熊本の郷土料理である馬刺しを出品しているのが、同県の上益城郡に店を構える創業30年の「馬刺し 和牛 乃 栗山屋」だ。本誌記者は31日、大九州展を訪れ、店主の栗山伸也さんから話を聞いた。
栗山さんは7月23〜28日にかけて、栃木県・宇都宮市にある東武百貨店で開催されていたフェアにも出店していたため、熊本には帰れておらず、家族とはLINEなどで連絡を取り合っている。幸いなことに、熊本にある実店舗は扉に歪みが生じた程度で、開店しているものの、地震の影響で人通りが激減し、客足が遠のいている状態だという。
さらに、店の従業員は無事ではあるものの、自宅が被害を受けてしまった。心配ばかりが募る中、熊本から遠く離れた東京で精を出す栗山さんだが、肉を熊本から送っているため、別の心配ごとも発生していた(以下、カッコ内は栗山さんの話)。
「いつも利用している物流業者があるのですが、地震の影響でこれがストップしてしまって。ありがたいことに、催事の1日目から商品をたくさん買っていただき、2日目には売る分がほとんどなくなってしまったので、別の業者の航空便に急きょ切り替えたんですよ。
それが今日届いて、なんとか営業できている状態。また、地震の前に、他の出店社さんが利用してる業者さんがたまたま引き受けてくれた分も本日届きましたから、4日までの在庫はなんとか確保することができました。東京のみなさまのために、商品を途切れさせることはできない。届けたいという思いがあります」
そんな栗山さんの出店スペースを訪れた反応はというと……。
「昨日も今日も、朝からたくさんの方が買いに来てくださって、“頑張って”と気遣いの声をかけてくださる。本当に感謝しています。10年前に地震があった時、支援への感謝の言葉を書いた暖簾を作ったんですよ。今も店に保管してありますが、これをもう一度掲げようと思います」
最後に、栗山さんは被害に遭った熊本の人たちに向けて、こんな励ましの言葉を送った。
「“熊本ばっかりだね”ってみんな言うんです。10年前に大地震があり、’20年には豪雨で大きな被害を受けました。そして今回の地震と、災害続きですから。ただ、幸いなことに皆さまからの温かい支援がある。だから諦めずに頑張っていこうと、そう言いたいですね」

