飲食中のイヤホン禁止、写真撮影NG…“ルールの多すぎる”飲食店主たちに聞いた本音「本当は、どのルールも作りたくない」
◆「本当は、どのルールも作りたくない」ーーネットレビューで賛否分かれる定食店主の本音
多少身構えながらも日替わりの「地カツオのタタキ」定食(1750円)を注文したが、サラダや小鉢、カツオのタタキはいずれも丁寧に調理され、満足感は高かった。
店主の浜名晃さんによると、2015年の開店当初は、細かなルールは設定していなかったという。
「本当は、どのルールも作りたくないんです。お店や周りの方を考えて行動してもらえれば必要ありません。でも、口頭でお願いすると『そんなこと書いてない』『知らなかった』と言われてしまうことがあって。だったら先に明文化するしかないと思いました」
それぞれのルールには、実際に起きた問題が背景にある。「入店は全員揃ってから」について、こう話す。
「『もう1人もすぐ来る』と入店したグループの残り1人が、10分、15分たっても現れず、ほかのお客様を案内できないことが何度もありました。“すぐ”の感覚は人によって違うので、ルールを設けることにしました」
注文用紙や席料の定めについては、コロナ禍後にワンオペ営業に移行したことがきっかけだったという。
「注文用紙は聞き間違いや調理の中断を減らせます。一定時間を超えた場合の席料には、ギリギリの価格で料理を提供するなか、食事以外で席を利用される際の使用料という意味もあります。こうしたルールを打ち出したのは、ワンオペでも料理の質を落とさず店を回すため、そしてお店を好きで利用してくれている方を大事にしたいという思いが大前提にあります」
◆口コミを読むと自分が壊れてしまう
同店での細かいルール設定について、ネット上ではさまざな意見がある。「料理はおいしい」という声がある一方で、「居心地が悪い」「店主の方からの独特な『圧』がある」といった書き込みがあり、賛否が分かれているのが実情だ。批判もあることは浜名さんも把握しているものの、現在は、それらの書き込みの一つひとつに目を通すことは控えているという。
「少し声を落としてほしいと伝えただけでも、『会話禁止の店』と、前後の事情が省かれ、店が一方的に厳しいように書かれてしまう。悪い口コミを読むと胸がきゅっとして、血の気が引くんです。このままでは自分が壊れてしまうと思い、すべての口コミを見ないようにしています。ルールを守っていただけない場合には伝えますが、ネット上では他の方には状況や真実は伝わりづらく、誤解されるケースもあるので対応しないようにしています」
ルールの存在は、店と客の相性を事前に明確にするフィルターにもなっていると話す。
「ルールを見て『自分には合わない』と思う方が利用を控えることで、トラブルを防げる面もあります。価格に対して食材や料理には自信があります。この値段で出すために、これぐらいお願いしてはダメですか、という気持ちはあります」
◆ルールは「道路標識のようなもの」

