【高橋 克英】ニセコの「割高コンドミニアム」が爆売れ…海外富裕層が「プレミアム付きのリゾート」に投資するワケ

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日本随一のスキーリゾート地としてその地を確固たるものにする北海道・ニセコ。いま全国のリゾート地では、「第二のニセコ」を目指す開発競争が加速しているーー。なぜ国内外の富裕層はリゾートを求め、巨額の投資と消費を繰り返すのか。その背景には、金融政策やAI時代の到来がもたらした世界的な「カネ余り」と、「退屈で、ひまな社会」の広がりがある。

富裕層との実際のやりとりやリゾートでのヒアリングをベースに分析した新書『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』より一部を抜粋・再編集して、世界の高級ブランドや超富裕層がいま日本に進出する理由を読み解く。

超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(講談社+α新書)

【前編を読む】日本のリゾート地の「超高級化」が止まらない…「ホテルコンドミニアム」への投資が「バブル崩壊の二の舞」にはならないと断言できるワケ

リゾート物件に不動産「投資」ローンが供給されないワケ

1990年代のバブル崩壊では、日本中のリゾート地が不良債権の山となり、不動産や観光事業者の撤退や倒産が相次ぎ、個人所有者のローン延滞や破産も起こった。大手銀行から地銀、信金に至るまで金融機関自体も膨大な不良債権により総崩れとなり、経営破綻、吸収合併を余儀なくされた過去の悔悟が日本には色濃く残っている。そのため、いわゆる不動産「担保」ローンや不動産フリーローンは存在するものの、邦銀による不動産「投資」ローンが、ホテルコンドミニアムなどリゾート物件に供給されることはほとんどない。

ニセコや白馬の高級コンドミニアムや別荘は割高で、積算法ではもちろん、収益還元法でも行内規定上貸出ができないのだ。それだけプレミアムが付いているということだが。

銀行からみれば、実体以上の価格評価がされており、景況感の悪化などによりプレミアム分が大きく下落するリスクがあるという判断になる。

結果的にキャッシュで一括購入できる日本人富裕層か、母国やグローバルな金融機関を利用できる海外富裕層だけが、こうした国内の高級ホテルコンドミニアムを購入することができることになる。ローンでは買えないことが参入障壁=プレミアムとなり、上質なリゾート地となり、ブランド化にも一役買うことになっているのだ。

なお付しておくと、東急リゾートでは、所定のホテルコンドミニアム(新築物件・仲介物件)の購入資金限定で、個人向けのホテルコンドミニアムローン(スルガ銀行、西京銀行)を紹介するなど、これからの需要拡大を見込んで状況は少し変化しつつある。

大規模修繕・建て替えの問題

ホテルコンドミニアムも一般的な分譲マンションと同様、築10年以上経つと、外壁の補修や屋根の防水工事など大規模修繕工事が必要となる。

ホテルコンドミニアムの改修費は、各部屋の所有者が管理費とは別に、修繕積立金として毎月積み立てる。修繕積立金を高く設定すれば、賃貸収入から得られる実質利回りはその分低くなる。一方で、修繕積立金を抑えることで、改修を先延ばしにすれば、物件そのものの価値や魅力は低下する。

実際には、毎月の修繕積立金を低めに抑え、改修期に必要な費用を一時金として支払うケースが多いという。

短中期的には、こうした大規模修繕の問題、長期的には所有者の5分の4以上の同意が必要な建て替えの問題にも直面することになるが、それはホテルコンドミニアムに限らず、全国津々浦々のマンションなど集合住宅にも共通する問題だ。

国内の高級ホテルコンドミニアムでは、外国人所有者が多い場合、海外居住で連絡や意思疎通が大変な面がある反面、彼ら彼女らは修繕積立金を十分に支払うことができる富裕層でもある。所有者が日本人であっても、行方不明・音信不通となり未払いとなるケースが多く、問題になりつつある。リスク管理の面からも、これら海外富裕層や投資家が所有する物件は、大規模修繕や資産価値維持の観点からも、むしろ恵まれているのかもしれない。

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