9回2死三塁、2ラン本塁打を放ったダルベック(カメラ・上村 尚平)

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◆JERAセ・リーグ 阪神2―4巨人=延長10回=(24日・甲子園)

 甲子園の「あと1球」コールを静寂に変えた。巨人のボビー・ダルベック内野手(31)は表情を変えず、中心で才木がひざまずくダイヤモンドを悠然と一周した。「うまく捉えられたと思います」。1点を追う9回2死三塁、カウント2―2から左中間へ逆転の16号2ラン。4番が土俵際でチームを救った。

 起死回生弾の裏に、あまりにも冷静な駆け引きがあった。初球で高め147キロ直球を空振り。ボール球に思わず手を出した…のではなく「落ちる球を待っていました。来ると分かってたので、狙っていこうと」。空振り直後、才木に視線を送ってニヤリと笑った。相手バッテリーに狙い球を悟らせないように「エサ」をまき、待ちに待った6球目。高めに入った“獲物”を逃さず強振し、打球速度185キロの完璧なアーチを左中間最深部へたたき込んだ。

 7月はいずれも月別最高の打率2割9分3厘、5本塁打、19打点の「新・夏男」。実は、東京Dのベンチ裏ロッカーは昨季限りで現役を引退した「元祖・夏男」長野久義氏の場所を継承している。編成本部参与としてチームを支えるレジェンドに春季キャンプから気さくに声をかけてもらい、シーズン中に東京Dで顔を合わせれば「頑張って!」と明るく激励を受けている。「皆さんがご存じの通り、本当に素晴らしい人柄の持ち主ですから。あえて言えば、チームメートとしてもプレーしてみたかったですね」とほほ笑んだ。

 阪神戦の15試合で打率3割4分6厘、6本塁打、15打点のキラーぶりをまたも、首位攻防の大一番で発揮した。「自分の仕事はチームに貢献することだけです」。頭はクールでハートは熱く、真夏の巨人を先導する。(内田 拓希)