【今日の金ロー】「おもちゃの存在価値」を通じて新たなテーマに踏み込んだ「トイ・ストーリー4」
3日の「金曜ロードショー」(後9時)は、きょう公開されたシリーズ最新作までを振り返る4週連続「トイ・ストーリー」シリーズ放送の”最終回”。「トイ・ストーリー4」(2019年)が登場する。
前作「―3」で大団円となった物語が再始動して9年ぶりに製作された作品は、ウッディとバズらおもちゃたちに、新たな仲間が加わるところから始まる。そのおもちゃとは、捨てられていた先割れスプーンから作られた「フォーキー」。前作の最後でウッディらをアンディから受け継いだ女の子・ボニーが幼稚園で手作りしたおもちゃだった。
「新入り」を歓迎するウッディ。だが、フォーキーは自分のことをゴミだと思い込み、すぐにゴミ箱の中へ身を投じようとしてしまう。ウッディがおもちゃとしての「自覚」を持たせようとする中、ボニー一家は車でキャンプに出掛けるが、そこでフォーキーは離ればなれに。探しに出掛けたウッディは、久しぶりにかつての仲間ボー・ピープと再会するが…。
前作「―3」に続き、本作は米アカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞。続編、しかも4作目でオスカーを獲得するというのは、通常では考えにくく、快挙だといえるだろう。何より、本シリーズのすごいところは、世界興収が作品を重ねるごとに右肩上がりとなっている(1作目から順に約4・1億ドル→4・9億ドル→10・6億ドル→10・7億ドル)ことだ。これは、様々な人気シリーズを調べてみても、なかなか見られない傾向といえる。
ただ、前回放送された22年7月の当コラムでも書いたのだが、日本では本作に否定的な意見を言うファンも多い(とはいえ、日本の興収は108億円→100・9億円と微減しているだけなのだが)。「せっかく『―3』でいい結末を迎えたのに、何でまたほじくり返すんだ!」という気持ちは分からないでもない。
確かに、記者も気になる点はある。それは、本シリーズの「最大のルール」である「人間が見ている前では動いてはいけない」という約束が、かなり揺らいでいるというところだ。
シリーズの過去作品でも、たとえばアンディの隣の家に住む、おもちゃをぞんざいに扱ういたずらっ子・シドを懲らしめる際に”飛び道具”のようにおもちゃたちが人間の前で動く場面はある。ただ、今回はそれをある意味逸脱し、ギリギリのところでバレていない(?)とはいえ、「表の世界」に姿を見せまくって人間の行動に影響を与える。その部分において「今までの『トイ・ストーリー』の世界を壊している」と言われても、否定できない部分はあるだろう。
一方で、今作では「おもちゃだからといって、常に子どものことを考えていないといけないのか?」、すなわち「自分の意思を押し殺して、言うことを聞き続ける必要はあるのか?」というテーマに疑問を投げかける内容にもなっている。この点においては、本作のラストは過去作品を見てモヤモヤを抱いてきた人にとっても納得できる内容になっているのではないか。
きょう公開の最新作「―5」では何を感じることができるのか。まずはシリーズの復習をしっかりしてから、劇場に足を運ぶようにしたい。(高柳 哲人)

