治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【神戸・冷凍庫に15年胴体を遺棄】元刑事がテレビで話さなかった考察をここで」を公開した。小比類巻氏は、神戸市のマンションで発生した冷凍庫への死体遺棄事件について、独自の視点から犯行の特異性や長期にわたって事件が発覚しなかった背景を詳しく解説している。

動画の冒頭で小比類巻氏は、テレビ番組で本事件の解説を予定していたものの、台風報道の影響で放送が見送られた経緯を説明。「放送にはならなかったが、お話ししたい」と、自身の見解を述べる動機を語った。

事件は、神戸市中央区のマンション一室で、元住人男性の切断された遺体が冷蔵庫の中から発見され、死体遺棄の疑いで元妻の持月秋美容疑者が逮捕されたというもの。小比類巻氏は事件の概要を振り返り、世間が注目する「共犯者の有無」について言及した。「共犯者がいるのであれば、こういった隠匿の仕方はしない」と指摘し、車で運搬して山に遺棄するなど、別の手段を選ぶはずだと推測。そのため、「共犯者はいないかもしれない」と単独犯説を強く支持した。

さらに、犯行の計画性にも焦点を当てる。冷蔵庫の製造年月日などを調べれば隠蔽目的での購入かが判明するとし、死体遺棄に関しては「ある程度の計画性は認められる」と分析した。一方で、殺害そのものの計画性については、容疑者の「ナイフで寝込みを襲って殺害した」という供述と、現場に飛散した血痕反応などの客観的証拠が一致するかどうかが今後の焦点になると語った。

また、15年もの間事件が発覚しなかった点について、「一人の人間が15年間も消えたのに、警察は動かないのか」という疑問に対し、「警察は行方不明届を受けない限り、捜査を開始することは不可能」と説明。被害者が生前から社会的に孤立し、家族とも疎遠であったことが、事件の発覚を遅らせた最大の要因であると考察した。

最後に小比類巻氏は、15年という歳月が経過しているため殺人罪での立件が極めて難航すると予想しつつ、「15年あったのだから、最終的にすべて処分してしまうことはできた」と指摘。遺体を完全に隠滅しなかった背景には、容疑者の収入が減少し、家賃や電気代を払い続けて「部屋自体を維持できなくなった」状況があるのではないかと推測した。長期間にわたる異様な隠蔽工作の結末に触れ、事件の全容解明に向けた捜査の行方を注視する姿勢を示して動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993〜2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。