日本でも試験運行中「無人タクシー」に乗ってみた。アメリカで「現地人から評価されていない」ワケとは
【画像】無人タクシー「Waymo」とUber、料金の差は?
日本でも試験運行中の「Waymo」
まず乗車したのは、Googleの自動運転開発プロジェクトから誕生した無人タクシー「Waymo(ウェイモ)」。アメリカ・ロサンゼルス、サンフランシスコ、フェニックスなどの中心部で運行されている、世界初の自律走行配車サービスです。タクシーアプリ・GOやUberのように、専用アプリで配車から支払いまで完結します。配車をリクエストすると、近くの車が乗車場所に向かいます。車の上部に表示される車両IDを自ら設定することができるため、自分が配車した車がどれか一目で分かります。
車が到着したら、アプリで「ロック解除」。ドアを開けて乗車します。シートベルトを着用し、アプリまたは車内のモニターの「Start ride(利用開始)」ボタンを押していざ出発!
車体の前後左右にカメラが複数台ついており、周囲の車両、通行人、自転車の状況などを確認しながら走行します。ナビ上でも周囲の状況が描写されており、ちゃんと確認できているという安心感を感じました。
好きな音楽を流しながらドライブできる
車内の設定はアプリや車内モニターで変更可能。空調の設定や、椅子の位置なども細かくカスタマイズできます。
また、個人的にうれしかったのはオーディオ設定。自身のYouTube MusicやSpotifyアカウントと連携すれば、好きな音楽を流すことが可能です。アメリカで自分のプレイリストを聴きながらのドライブ、最高過ぎる……!
目的地付近に到着すると、周囲の状況を確認しつつ、安全な場所で停車し、ドアのロックが自動で解除されます。支払いはアプリに登録したクレジットカード決済で完結。気になる料金ですが、タイミングによって変動はするものの、平均するとUberでの配車より少し安いように感じました。無料テスト運行中のロボタクシー「Zoox」
次に乗車したのは、Amazon傘下で開発されているロボタクシー「Zoox(ズークス)」です。アメリカ・サンフランシスコ、ラスベガスの一部エリアでテスト運行を開始。2025年9月に一般向け運行を開始しましたが、収益化に向けた最終承認を待っている段階のため、現在は無料でサービス提供されています。Zooxのキャッチコピーは「It's Not a Car」。ハンドルや運転席がないため、Waymoと比較しても車に乗っている感覚がなく、かわいらしい見た目からも“ロボット感”をより強く感じます。
ZooxもWaymo同様専用アプリで配車が可能。ラスベガスでは主要ホテル間の移動がメインで、筆者が乗車した2026年6月時点では、乗降場所がラスベガス内で14カ所とかなり限られていました。ホテルのロータリーなどが乗車場所となっており、乗り場までの行き方もアプリで案内があります。
リモートワークも可能!? 広々とした座席
配車した車が到着したら、アプリで開錠し乗車。最大4人乗車可能で、車内は2×2席のボックスシートになっています。座席はかなり広々としており、側面の窓も大きいことから、開放感を感じました。ワイヤレス・有線の充電設備も整っており、公式Webサイトで「Work from Zoox is worry-free(Zooxでの仕事はストレスフリー)」と紹介されているように車内での仕事、作業も問題なくできそうです。
車内のモニターにて、音楽の設定や温度、送風の調整も可能。さまざまなジャンルの音楽が登録されており、好みの音楽を選ぶことができました。目的地に到着したら自動でロックが解除され、ドアがスライドします。何といっても無料で乗車できるのがうれしいポイント。かなり満足度の高い乗車体験となりました。

チップ不要、ぼったくりとも無縁で安心
日本では本格運用が開始されていないため、今回初めて無人タクシーに乗車した筆者。第1に感じたメリットは、金額面です。アメリカではタクシーでもチップ文化があることから、運賃の15〜25%程度のチップを請求されることが多々ありますが、無人タクシーは距離料金となるため、チップを支払う必要がありません。円安で苦しむ中、かなり大きなメリットの1つだと感じました。
海外旅行のタクシートラブルで起こりがちな「ぼったくり」とも無縁。乗車時点で料金が決まっているため、乗車中に「遠回りされてぼったくられているのでは……」と心配する必要がないのもうれしいポイントです。
また、アメリカでは運転の荒いドライバーに当たって車酔いしてしまうこともありましたが、無人タクシーはかなり安全運転を徹底しているため、車酔いに悩まされることもありませんでした。
「現地人からあまり評価されていない」理由とは
「もうこの世のタクシー、全部これでいいのでは?」と思っていたのもつかの間。何度か乗車する中で、現状の運用や技術の限界も感じました。まず、現在の運用では、移動できる範囲がかなり限られています。例えばZooxは先述したようにラスベガス内の14カ所でしか乗り降りができません。Waymoもサンタモニカ、ハリウッドといったロサンゼルスの中心地では利用可能ですが、ロサンゼルス国際空港やアナハイムは利用対象外となっており、空港からの移動など、需要が多いであろう場所で使用できないのは少し残念に感じました。
また、無人タクシーでは高速道路の使用ができず、同じところへ行くにもUberの2倍以上時間がかかるということもありました。
最も限界を感じたポイントは、渋滞・混雑時などの対応でした。車社会のアメリカでは、通勤・退勤ラッシュの渋滞も多発しがち。特に渋滞時の車線変更などでは迷いが見られ、前後の車からクラクションを鳴らされることもありました(鳴らされたところで乗客にはどうしようもないのですが……)。
ロサンゼルスのUberドライバーいわく、「Waymoは現地人からあまり評価されていない」とのこと。イレギュラー時の対応まで追いついていないため、日常で利用するにはネックになっているようです。日本では、Waymoとタクシーアプリ・GO、日本交通がパートナーシップを結び、2025年4月より東京都心7区(港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区)で試験運行を実施中。本格運用に向けて調整を進めています。
まだまだ課題はありつつも、移動手段に大きな変化をもたらすであろう無人タクシー。日本での導入に向けた今後の動きに注目したいですね!
この記事の執筆者:
守屋 りさ
All About ニュースの編集者。エンタメ、グルメ、デジタルなど幅広いコンテンツの企画・編集に携わり、現在は広告運用やSEOなどメディア運営も担当。好きなものはおいしいごはんと散歩、アイドル。
(文:守屋 りさ)

