AIブームのあおりを受けて半導体需要が世界的に急増する中で、世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCの生産能力が限界に達しつつあります。そこでGoogleやNVIDIA、テスラといった大手企業が韓国のSamsungを代替パートナーとして検討していると報じられました。

Samsung's foundry is booming as TSMC struggles with demand - bags Nvidia, Tesla, and Qualcomm as new clients | TechSpot

https://www.techspot.com/news/112800-samsung-foundry-booming-tsmc-struggles-demand-bags-nvidia.html

AMD, BYD, Google, and Nvidia could get some of their chips made by Samsung - SamMobile

https://www.sammobile.com/news/amd-google-byd-nvidia-chips-made-samsung-future/

Samsung Electronics Gains Ground as Major Tech Firms Seek TSMC Alternatives - Blockonomi

https://blockonomi.com/samsung-electronics-gains-ground-as-major-tech-firms-seek-tsmc-alternatives/

Samsung Sees More Chipmaking Requests as TSMC Capacity Tightens - SammyGuru

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TSMCは半導体のプロセス技術においてSamsungといった競合他社より優れているとみられるため、先進半導体製造のリーダーとして広く認知されています。さらに2nmや3nmといった先進プロセスノードにおける歩留まりでも、TSMCは依然として優位に立っているとのこと。

ところが、近年はAIブームにより半導体需要が爆発的に高まっており、TSMCの製造能力はほぼ限界に達しています。実際、TSMCの長年の主要顧客であるAppleでさえNVIDIAとの競合を強いられ、チップ生産ラインの確保に苦戦してると報じられています。

TSMCの生産能力をめぐってAppleはNVIDIAと競合してチップ生産ラインの確保に苦戦か - GIGAZINE



by Sumudu Mohottige/李 季霖

TSMCの製造パイプラインはApple・NVIDIA・AMD・Broadcom・Marvell・MediaTekといった既存顧客への供給が圧倒的に多く、新規生産の受注枠は限られています。TSMCは生産能力拡大計画を発表していますが、半導体製造施設の建設には多額の設備投資と数年にわたる工期が必要です。

そのためGoogle・NVIDIA・テスラ・BYD・AMDといった大手企業は、TSMC以外の選択肢として、Samusungの半導体ファウンドリ部門に目を付けていると報じられています。Samsungは5nm以下の先端プロセスノードで半導体を製造できる数少ない企業であり、TSMCが請け負いきれない生産分を取り込む機会を手にしています。

報道によると、GoogleはMediaTekと共同でAIワークロード向けのTensor Processing Unit(TPU)を設計しており、これらのチップの主要部品の製造をSamsungに委託することを検討しているとのこと。また、Googleは次世代AIアクセラレータ「Axion」の製造についてもSamsungと協議中だそうです。

半導体企業のAMDもSamsungファウンドリと協力体制を取っており、将来のEPYCサーバー向けCPUを第2世代2nmプロセスノードで製造するファウンドリ契約を獲得したとうわさされています。また、中国の大手電気自動車メーカーであるBYDも、Samsungと将来の自動運転車用チップの製造に関して協議していると報じられています。

大手半導体メーカーのNVIDIAは、非独占ライセンス契約を結んだAIアクセラレーター開発企業・Groqの最新チップをSamsungのファウンドリで製造しているほか、次世代チップの製造をSamsungに委託することを検討しているとのこと。

テスラはTSMCとSamsungの両社と提携していますが、テスラの車両やロボットプラットフォームに搭載される次世代A16チップの製造は、アメリカ・テキサス州にあるSamsungの工場で独占的に製造される予定となっています。また、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏が設立したブレイン・マシン・インタフェース(BCI)企業のニューラリンクは、次世代脳インプラントチップの製造に関してSamsungに高額の契約を提示したと報じられています。

テスラがSamsungと2033年末までの2兆円超のチップ契約を発表、テキサス州でテスラの次世代AI6チップを製造 - GIGAZINE



Samsungのファウンドリ事業は年間数千億円の赤字を出しており、業績に悪影響が及んでいることが知られています。しかし、TSMCの生産能力を超えた需要が生じている現状は、Samsungにとって追い風になる可能性があります。

Samsungはファウンドリ事業で年間数千億円の赤字を出しているが事業の切り離しには興味なし - GIGAZINE



テクノロジー系メディアのSamMobileは、「AIブームの継続と供給の制約により、将来のチップ生産をSamsungファウンドリに委託しようとする企業が増えていると報じられています。その結果、Samsungのチップ受託製造事業は、長い低迷を抜けて黒字転換を果たす可能性があります」と述べました。