『Michael/マイケル』日本興行が世界中から注目されている理由と続編の可能性
6月第2週の動員ランキングは、アントワーン・フークア監督によるマイケル・ジャクソンの伝記映画、『Michael/マイケル』がオープニング3日間で動員67万2000人、興収10億9000万円をあげて初登場1位。これは邦画洋画合わせて2026年に公開された実写映画としてはナンバーワンの数字で、メディアによる不当なバッシングや所属レコード会社(ソニー)とのトラブルに苦しめられた晩年を除いて、ヒットチャートのトップに君臨し続けてきたマイケルに相応しい見事なスタートダッシュとなった。前週末のIMAX先行上映と合わせたオープニング成績は動員71万5400人、興収11億9400万円。ウィークデイに入ってからも独走状態は続いているので、もし今週末も先週末と同水準の成績を叩き出すことになれば実写洋画としては2018年に公開された『ボヘミアン・ラプソディ』以来となる興収100億円超えも現実味を帯びてくる。
参考:IMAX先行上映が大盛況だった『Michael/マイケル』 今週末の通常公開でどこまで跳ねるか?
『Michael/マイケル』の世界興収は現時点で9億3563万ドル。『ボヘミアン・ラプソディ』を超えてミュージシャンの伝記映画で歴代ナンバーワンの記録を既に打ち立てているが、主要国で最も公開が遅かった日本での興行に世界中から注目が集まっているのは、その成績次第では『オッペンハイマー』(世界興収9億7581万ドル)を超えて、すべての伝記映画の歴代ナンバーワンになるかもしれないからだ。現在の勢いからするとその可能性はかなり高く、世界興収10億ドル超えもあり得るかもしれない。
ここまで記録的なヒットとなると、当然期待されるのは続編の製作だ。というのも、今回の『Michael/マイケル』で描かれているのはマイケルにとってソロとして初のワールドツアーとなった『BAD』ツアーのロンドン公演までで、まだまだそこには語られていない時代やストーリーが山のように残っているのだ。
現時点で発表されているのは、続編の製作は確定していること、『Michael/マイケル』製作時に撮影された膨大な映像素材が既にあること(全体の4分の1から3分の1近くのフッテージがあるとも言われているが、その中には法的な問題や権利の問題で今回の『Michael/マイケル』ではカットしなくてはいけなくなった素材もあるはず)、マイケル役のジャファー・ジャクソンが続投すること。一方、アントワーン・フークア監督は続投に意欲を見せてはいるものの実際に続投できるかはスケジュール次第とされていて、製作サイドからは前後編ではなく3部作となる可能性も示唆されている。
「3部作?」と訝る方もいるかもしれないが、『Michael/マイケル』を観た人ならわかるように、今作ではかなり駆け足で30歳までのマイケルの足跡を追っていて、そこで描かれた時代までに限ったとしても、いくつもの代表曲や、マイケルのキャリアにとって重要なエピソードが抜け落ちている。『Michael/マイケル』以後の時代をただリニアに描くだけでなく、時代を遡ったシーンも要所要所で挟むのだとしたら(今回使用されなかったフッテージもその時期を含むはず)、前後編だけでは収まらない可能性も十分にあるだろう。
(文=宇野維正)

