日本各地で多発している水害。中古住宅を検討する際、ハザードマップを確認する方は増えていますが、実はデータに残らないような小規模な「床下浸水」を経験している物件も少なくありません。
今回は、建築士・ホームインスペクターである、さくら事務所取締役の田村啓さんが、内見時にセルフチェックできる「過去の水害サイン」を見抜くポイントを分かりやすく解説します。

■ 1. ネット検索と「近隣への聞き込み」で履歴を追う
建物の状態を見る前に、まずは事前の情報収集と現地でのヒアリングが大きなヒントになります。
・ネットでのピンポイント検索
「町名+水害」「住所+冠水」などで検索すると、自治体の公式データには載っていないような、過去の局所的な大雨による被害情報が見つかることがあります。
・売主への「聞き方のコツ」
「水害はありましたか?」と大雑把に聞くと、大災害をイメージして「ない」と答えがちです。
「過去に大雨が降った際、お庭がプールのように水浸しになったことはありますか?」など、身近な水はけの様子を尋ねるのがコツです。
・ご近所さんへの聞き込みが一番の生情報
売主側はどうしてもネガティブな情報を話しにくい立場にあります。
もし内見時に近隣の方と話せる機会があれば、「このあたりは、大雨のときに道路が冠水したりしますか?」と率直に聞いてみるのが確実な情報源になります。

■ 2. 建物外周でチェックすべき「外壁と設備のサイン」
床下浸水があった建物には、外回りにうっすらとその痕跡が残っていることがあります。
・基礎や外壁の「水位ライン」
基礎のコンクリートや外壁の一部分に、横一線にうっすらと泥や水の跡(シミ)が残っていないか確認します。
・設備機器の「錆(さび)の境界線」
家の周りにある給湯器やエアコンの室外機、ガスの配管などの金属部分に注目してください。ある一定の高さから下だけが不自然に錆びている場合、そこまで水が浸かっていた可能性が考えられます。
・床下換気口の位置
少し築年数が経っている物件で、基礎の真ん中あたりに換気用の「格子の窓(床下換気口)」がある場合、その位置が地面から低いと水が内部に流れ込みやすくなります。

■ 3. 玄関・勝手口で見落としがちな「室内のサイン」
床上まで浸水していなくても、玄関の「どま(土間)」や勝手口の段差部分まで水が押し寄せていたケースがあります。

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