今年2月に40歳を迎えた気象予報士穂川果音さん。翌3月には10年間担当したお天気キャスターを卒業しました。現在はSNSを中心に発信していますが、コスプレ気象予報士として注目を集めたことで否定的なコメントが寄せられることも。それでも発信を続ける背景には、コンプレックスを乗り越え「自分にしかできないことを」という強い思いがありました。

【写真】「40歳とは思えない」ボディラインが美しい穂川さんの近影に目が釘づけ(10枚目/全11枚)

コスプレ気象予報士10年「一方的なバッシングも」

──『ABEMA Prime』で10年間続けたお天気キャスターを今年3月に卒業されました。ここまで長くお天気キャスターとして起用し続けられる例はあまりないように思います。

穂川さん:いや~、そう言っていただけるだけで感慨深いです。正直に言うと、自分でもこんなに長く活動できるとは思っていませんでした。最近は20代の共演者の方とご一緒する機会も増えてきて、「もしかして私、この子の母親の年齢に近いんじゃ?」なんて感じることもあります。でも、自分より下の世代の子たちがキラキラしているのを見ると刺激になりますね。お天気キャスターのポジションが、どんどん若い世代になっていくのかなって考えると、ちょっと胸がヒリヒリしたりもしますが(笑)。

── そのなかでも、ご自身の強みについてどう感じていますか。

穂川さん:気象の専門的な情報をいかにわかりやすく視聴者にお伝えできるか、その能力は磨いてきたつもりです。特に、興味がない人への伝え方を工夫するスキルや、防災士として防災情報をかみ砕いて発信するスキルは経験の積み上げによるものだと思うんです。視聴者の信頼につながると思うので、そういったスキルはすごく大事。「あの天気キャスターが傘を持って出かけたほうがいいって言ってたから、持っていこう」と行動に繋がるのは、信頼の積み重ねの証じゃないですか。それが着実に増えていっているのかなと感じます。

『ABEMA Prime』のお天気コーナーではわかりやすいイラスト解説も

── コスプレ姿での天気予報は注目を集めましたが、「普段はあまりニュースに興味がない層にも見てほしい」との思いもあったそうですね。いっぽうで、その姿を批判する声もあるようです。そういった批判に対しては、どのように感じていますか?

穂川さん:記事のコメント欄などへの投稿は、私自身はあまり気にしないようにしているのですが、知人から「コメント数がすごいことなっているよ。荒れているよ」って情報共有されることもあったりして…。一方的なバッシングには正直、傷つきます。

── 匿名な場合は特に、誹謗中傷のコメントをしやすい状況にありますよね。

穂川さん:私も人間ですし「なんでこんなコメント書けるんだろう」って悲しくなることもあります。でも、その人がコメントを書くというアクションを起こすって、「わざわざ面倒なことをしている」とも言えるじゃないですか。それはつまり、私の行動によってなにか感情を動かされたのかなと。そんな感じで、少々無理やりにでも前向きにとらえようとは思っています(笑)。

高身長もバストも「全部コンプレックスだった」

── 前向きな姿勢、素晴らしいです。SNSには女性の私から見ても羨ましいスタイルの写真が並んでいますね。

穂川さん:私は15歳のときに雑誌のモデルとして活動を始めたのですが、人と自分を常に比較する日々で。当時から自分の体型はずっとコンプレックスの対象でした。身長が171センチあり、「スタイルがいいね」と褒めていただけることもありますが、モデルとして突出しているわけではなかったし、当時売れていたモデルの方々と比較すると、顔が小さいわけでもほっそりとした骨格でもなかった。自分が求めるモデル像と自分の実際の体つきが違うので、とにかく「痩せなければ」という強迫観念に駆られる日々でした。

── そんな悩みを抱えていたとは…。

穂川さん:胸が大きめだったのが災いして、服によっては太って見えたり、体が大きく見えたりするんです。似合う洋服を見つけるのが難しかったから、モデルとして思うように活躍できなくて。10代後半から20代前半は、自分を好きになれませんでした。


 
モデルを休業してからも、普通より高い身長と大きな胸が足かせになっていたように思います。リポーター時代には「胸が目立ってしまうからさらしを巻いてほしい」とスタッフから言われたこともあって。「そういうふうに見られてしまうのか…」とやりきれない気持ちでした。


 
でも、そんな経験があったからこそ、コスプレにチャレンジする勇気が持てた気がしますし、コスプレのおかげでコンプレックスをポジティブに捉えられるようになった面はあるかもしれません。

美脚が際立つセーラームーンのコスプレ姿の穂川さん

── ご自身のモデル時代のコンプレックスが、背景にあるのですね。

穂川さん:そうですね。それまでのお天気キャスターを担当する女性って、たいてい小さくてかわいらしく、華奢な方ばかりでした。皆さん、自分にないものを持っていて、それが羨ましかったんです。私はというと、背が高くて大きく見られるのが嫌で、ヒールの靴も履きたくなかったし、肩幅が広く見えるせいでかわいい服が着こなせなかった。

でも、コスプレで体のラインを強調する衣装を身につけて、「あ、トップスがショート丈だとスタイルがよく見えるんだな」など分析するうちに、自分に似合う服やコーディネートがわかってきたんです。

その経験を生かして自分のように体型にコンプレックスを抱えている人や、悩みを持っている人たちに対して「こういう着こなしが着やせして見えるよ」みたいな提案ができるようになりたい。そんな思いでSNSに発信を続けています。ゆくゆくは自分と同じ40代や50代の方に向けて、似合う服のプロデュースもしてみたら楽しそうだなって思っています。

これからは「美容予報」を発信し同世代の心掴みたい

── 『ABEMA Prime』を卒業されてから2か月ほど経ちました。最近はSNSで気象予報士の知識を活かしつつ、美容について積極的に発信されていますね。

穂川さん:そうなんです。今、美容に人生でいちばん関心があって(笑)。最近、ほほの高い部分にそれまでなかったシミができたのに気づいて、すごくショックだったんです。今年2月に40歳になったこともあり、これまで蓄えてきた経験から美容についても伝えたいと思うようになりました。とくに気象の観点と美容って、すごく相性がいいんです。

── たしかに。これからは紫外線対策など気になります。

穂川さん:実は6月って、8月と同じくらいの紫外線量が出ています。いっぽうで梅雨に差しかかる時期は湿度が高くなり、化粧崩れが起きやすい。毛穴の詰まりやむくみも出やすくなる。この時期は私自身、体が重く不調を感じやすいんです。そういった「美容予報」的な発信を続けて、同世代の女性に役立てていただけたらいいなと。

── 発信を楽しみにしています!ちなみに、以前のインタビューで「目標は女性版・石原良純さん」だと語っていましたよね。

穂川さん:「私がやってみたい方向性で活躍されているな」とつねづね感じていたのが石原さんなんです。ニュース番組で真面目に今日の天気を解説しつつ、バラエティ番組でもしっかり笑いを取っていらっしゃる。周りからイジられて愛されている姿が、すごく素敵だなって感じて、目標として挙げています。

本当はコスプレをやるつもりなんてなく、正統派のお天気キャスターになりたかったんですけどね。でも、それが結果的にイジられるきっかけになったので、やり続けてよかったと思っています。とはいえ、今の私ではまだまだ石原さんには及びません。到達度は20パーセント…というところでしょうか(笑)。気象の知識といじられキャラで、活躍の幅をさらに広げられたら嬉しいです。

取材・文:池守りぜね 写真:穂川果音