【金 敬哲】【韓国地方選】李在明・与党を最重要選挙区ソウルでまさかの敗北に追いやった「K-格差社会」の実態
与党は大勝したものの
6月3日に韓国全土で実施された地方選挙において、与党の「共に民主党」は16の広域自治体首長選挙のうち12カ所を確保し、数値上は大勝を収めた。しかし、最大の激戦地であったソウル市では、「国民の力」の候補であった呉世勲(オ・セフン)ソウル市長が接戦の末に5選を果たし、重量級の候補者が出馬した注目選挙区で「共に民主党」の候補者は相次いで落選した。
李在明(イ・ジェミョン)大統領の就任から約1年が経過した時点で執り行われた今回の地方選挙は、国政運営に対する中間評価の性格を帯びていた。各種世論調査で李大統領の支持率は60%台を安定して維持しており、選挙前の世論調査でも慶尚北道(キョンサンプクト)を除くすべての地域で民主党候補がリードしていることが示されていた。投票終了直後に発表された地上波3社の出口調査でも、「共に民主党」が大邱(テグ)・慶尚北道を除く14カ所でリードしていると予測された。
しかし、実際の開票結果は異なっていた。ソウルを含む核心的な激戦地で予想とは違う結果が相次ぎ、地方選挙と同時に行われた国会議員の補欠選挙でも、「共に民主党」は既存の議席から3議席を減らした一方、国民の力は2議席を増やした。メディアや世論調査が予測した「圧勝」という表現とは乖離のある結果であった。
今回の選挙で、李在明政権にとって最も象徴的な敗北はソウル市長選挙だった。「共に民主党」の鄭愿伍(チョン・ウォノ)候補は、党内の候補選出過程において李在明大統領が公開で好感を示した人物であり、いわゆる「明ピック(李在明が選んだ候補)」として注目を集めていた。彼は自らを「リトル李在明」「マイルドな李在明」とブランディングし、「李在明のビジョン、鄭愿伍の行政」というスローガンを掲げた。事実上、個人の能力よりも李在明ブランドをソウル選挙にそのまま投影した構図であった。
しかし、ソウルの民心は「リトル李在明」ではなく、呉世勲を選択した。呉世勲候補が強さを見せた地域は、いわゆる「漢江(ハンガン)ベルト」と呼ばれる、漢江を取り囲む中産階級の密集地域であった。特に江南(カンナム)3区では、70%以上の有権者が呉世勲候補を選択した。
首都ソウルを失った不動産政策
韓国メディアは、李在明政権の不動産政策がソウルの中産階級の離反を招いた核心的な原因であると分析している。
ソウル全域を土地取引許可区域に指定し、売却時に政府の許可を義務付けた財産権侵害の恐れが大きい規制、1世代1住宅の長期保有者に対する特別控除の廃止、多住宅保有者に対する不動産重課税などが代表例として挙げられる。資産を守ろうとする中産階級にとって、これらの政策は直接的な脅威として受け止められたという分析だ。
中産階級の離反とともに、2030世代(20代・30代)の若者層による集団的な離反も結果を左右した。出口調査によると、20代女性を除く20〜30代の若い有権者たちは、呉世勲候補へ圧倒的な支持を送った。20代男性の75%、30代男性の67%、30代女性の54%が呉世勲候補を選択したことが分かった。
若者層の離反における第1の原因は住居問題であった。政府の高強度な融資規制により、ソウルでのマイホーム購入が事実上不可能な状況となった中で、賃貸(チョンセ・ウォルセ)の家賃はむしろ急騰した。選挙前に全国民へ支給された高油価支援金(原油高対応の支援金)が、結果的に物価上昇と将来世代の財政負担として跳ね返ってくるという不安感も重なった。
ここに政権の「公正さ」と「安全保障観」に対する不信感が加わった。すでに検察によって起訴されている自身の事件を念頭に、特別検察官に公訴取消権を付与する「捏造起訴特別検察官法(特検法)」を推進した李在明大統領の行いを、若者層は「法の上に立とうとする傲慢さ」と受け止めた。
「5・18タンクデーイベント」(光州民主化運動の記念日である5月18日にスターバックスコリアが行った『タンクデー』というイベント名が当時の光州市民を虐殺した戒厳軍を連想させるとして激しい批判を浴びた)の論争を口実に、韓国資本が運営するスターバックスコリアに対して大統領が自ら不買運動を扇動したことも、「ノー・ジャパン(日本製品不買運動)シーズン2」という揶揄(やゆ)を浴びた。
また、イスラエルに対しては強硬な立場を取りながら、実際に韓国の船舶をミサイルで攻撃したイランに対しては沈黙を守った李大統領の態度は、「第2の不詳の発射体事件」に例えられた。李在明政権は韓国船舶を攻撃したイランのミサイルについて「不詳の飛行体」と表現したが、これは過去の文在寅(ムン・ジェイン)政権時代、韓国領海に落ちた北朝鮮の弾道ミサイルを「不詳の発射体」と表現した手法と酷似しているという非難だ。
社会の亀裂
核心選挙区における「明ピック」候補の落選は、ソウルにとどまらなかった。釜山(プサン)北区の国会議員補欠選挙では、明ピック候補であった元青瓦台首席の河正宇(ハ・ジョンウ)氏が、韓東勲(ハン・ドンフン)前法務部長官に敗れた。韓前長官は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の「皇太子」でありながらも、尹前大統領の弾劾に賛成したことで「国民の力」から事実上追放され、今回は無所属で出馬して当選。呉世勲ソウル市長とともに、保守陣営の次期大統領選候補として急浮上した。
京畿道(キョンギド)平沢(ピョンテク)では、文在寅政権の「皇太子」と呼ばれた曹国(チョ・グク)前法務部長官と、明ピックの金龍男(キム・ヨンナム)候補が激突したが、「国民の力」の兪義東(ユ・ウィドン)候補が二人の有力候補を抑えて当選するという波乱を起こした。文在寅政権で首相を務めた金富謙(キム・ブギョム)前首相、文大統領の最側近である金慶洙(キム・ギョンス)前慶尚南道知事ら大物級の人物も相次いで落選し、民主・進歩陣営は次期大統領選を率いていくランナーを失う打撃を被った。
結果として、今回の地方選挙は「共に民主党」に外見上の勝利をもたらしたものの、首都圏と核心的な激戦地では明確な限界を残した。広域自治体首長12カ所の確保という大勝にもかかわらず、ソウルの中産階級と全国の2030世代(若者層)の票心には、巨大与党の一方通行な国政運営に対する厳重な警告が隠されているのである。
特に注目すべきは、この離反が単なる政策への不満を超えているという点だ。かつて民主と改革を叫んだ「共に民主党」と、その支持基盤である4050(40代と50代)世代がいまや既得権益層となり、資産と権力を独占して、若者世代には家賃の高騰と財政債務だけを背負わせる構図が形成されつつある。
中産階級を圧迫した不動産規制、若者の住居の梯子を外した融資規制、未来世代に負担を転嫁するポピュリズム的な財政政策、そして公正さと安全保障をめぐる政権の二重基準(ダブルスタンダード)的な態度が結合し、これこそが、今日の韓国社会が直面している「K-格差社会(韓国式二極化)」の実態であることを、今回の選挙は浮き彫りにしたのである。
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