“小江戸”に一体何が……

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 東京都心から電車に乗って1時間ほどの埼玉県川越市は、古都の風情を色濃く残す家並みから「小江戸」と呼ばれる観光の街。その市街から少し離れた田園地帯にある建築物が……。

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【実際の写真】畑のド真ん中に現れた「違法なモスク」

タマネギ状の構造物

 奇妙なドームが姿を見せ始めたのは、一昨年のこと。

「天文台かと思っていたのですが、装飾が施された門などがあって、イスラム教のモスクだったんです。ただ、中で何をやってるか分からなくて、ちょっと不気味でね」という地元住民の声を聞いて現地に向かうと、確かにそれはあった。

 エダマメとサトイモ畑のど真ん中。細長い土地の最奥部に立つ白亜の建物の上にはタマネギ状の構造物が乗っていて、見紛うことなきイスラムの寺院だ。

“小江戸”に一体何が……

 が、実はこれ、違法な建築物だという。市の担当者によれば、

「あそこは地目でいえば山林。市街化調整区域で建物は建てられない場所なんです。2024年10月に近隣からの通報があって、これまで3〜4回は工事停止の通告をしたのですが、行くたびに、“日本語は分からない”という作業員ばかりで、なかなか意思が伝わらなかった。ようやく土地の所有者というパキスタン系の貿易業者と連絡がつき、現在は撤去に向けた是正計画書を提出してもらっている」

スーパー開業に向けての準備

 しかし、この4月にはパキスタン大使がやって来てモスク開所式が行われたといい、いまも工事は継続中。しかも……所有者の代理人という日本人によれば、

「所有者は違法建築になることを知らずに建ててしまったんです。ゆくゆくはハラール食材のスーパーを開く予定で、近隣の住民にはあいさつをしていますし、固定資産税も支払っているんですよ」

 実際、すでに業務用の冷蔵庫やらコンロを搬入し、スーパー開業に向けての準備に余念がない。

「そんなものまであるんですか! 絶対にダメです」(市担当者)

 異文化との交流が摩擦とならないことを祈るばかりである。

撮影・福田正紀

「週刊新潮」2026年6月4日号 掲載